なぜタオルを頭に乗せるのか。
おいしい空気と気持ちのいい景色へお誘いする「JOYFUL LIFE」。
山と温泉と音楽が大好きなアウトドアナビゲーター渡部郁子がご案内しています。
さて、今日は温泉ソムリエとしてのアドバイス。お風呂や温泉でよく見かける
”あの光景”についてお話ししてみたいと思います。
お湯の中につかりながら、頭の上にちょこんとタオルを乗せている、
気持ち良さそうな、あの光景です。
実は、タオルを頭に乗せるというのは理にかなったことなんです。
お湯の中に入ると身体は水圧を受けるので、血液が上半身に集まりやすくなり、
その結果、のぼせた状態になりやすいのです。
その状態で立ち上がると血液が下半身側に移動するので立ちくらみが生じます。
こうした作用を防ぐために、入浴中に冷たいタオルを乗せておくのは効果的なんですよ。
ただし、これは建物の中の湯船や夏の暑い日の露天風呂の場合。
冬の寒い日は、逆に温かいタオルを乗せるんです。露天風呂の場合、
身体はお湯の中にあって温かいですが、頭は外気にさらされているので、
血圧が急に高くなるということも起こります。
それを防ぐためには、乾いたタオルか、お湯でアツアツにしたタオルがいいですよ。
もしうっかり、タオルを頭に乗せ忘れた場合は、
のぼせてしまったら冷たいタオル、立ちくらみには温かいタオルと覚えておくといいですね。
とはいえ、湯船にジャバジャバとタオルを入れるのはマナー違反ですから、
タオルをぬらすときは気をつけましょう。
「これから雪見露天風呂を楽しむんです」というアナタは、早速試してみて下さいね。