I Got Rhythm~音楽が生まれる時

I Got Rhythm~音楽が生まれる時

その音楽が誕生し、愛されてきた理由を、残された証言者や音源から紐解いていく音楽ドキュメンタリー番組。
毎回、旬なアーティストやジャンルの話題+切り口でその源流を辿り、掘り下げていきます。

過去の放送(radikoタイムフリー)

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#67『I got rhythm 音楽が生まれる時』 選曲リスト

2020/7/11 (土)19:00
今月のテーマ:「モリッシーの人生講座」
(第1回:はじめてのモリッシー)
パーソナリティ:上村彰子(ライター、翻訳家)


<番組のトーク・パートと選曲リスト>

 『モリッシー自伝』が待望の翻訳化。ということで、今月は、「モリッシーの人生講座」と題して、いつの世に対しても、何か言いたくなるお騒がせにして、熱いハートの持ち主、英国音楽の至宝=モリッシーの世界に迫ります。
 今回は、「はじめてのモリッシー」と題して、このモリッシーってどんな人なのかを掘り下げていきます。

<モリッシー・プロフィール>
 1959年5月22日、イギリス・マンチェスター生まれ。1983年に「ザ・スミス」のボーカルとしてデビュー。ポスト・パンク時代のカリスマ的存在として、絶大な人気を獲得。4枚のアルバムを発表したあと、87年に解散。その後、ソロ活動を開始。ソロ1作目『ビバ・ヘイト』は全英1位に。以降、現在にいたるまで35年以上、精力的に活動をつづけています。

― ではここで、ソロ・デビュー・アルバム『ビバ・ヘイト』からのシングル、「スウェードヘッド」を聴いていただきましょう。

M1「Suedehead」/ Morrissey
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。

 1988年、全英1位となったモリッシーのソロ・デビュー・アルバム『ビバ・ヘイト』からのシングル。

― ここで、モリッシーを知るうえで押さえておきたいポイントを3つご紹介ます。

①マンチェスター、イギリスへの呪詛
 モリッシーは、自分の生い立ちや家庭環境、労働者階級としての自分への恨みをバネにして、音楽活動を通して復讐をしているようなところがあります。

②圧倒的な音楽愛
 歌の中では孤独や絶望、断絶、疎外感といったテーマに歌っていることが多いですが、そういったものを抱えながら、ここまで音楽家として活動する自分を支えてきたのが、「音楽」だったと本人は語っている。

③頑固なまでの自己肯定感
 スミスといえば”根暗”だとか、モリッシーは”ヘタレのヒーロー”のようなイメージがありますが、実はブレない内なる熱いものを持っていて、自分の信念をどんなに人にわかってもらえなくても、音楽を通じて貫いています。

― まずは、①「マンチェスターへの呪い」ともいえる、学校生活への恨みつらみを歌った曲を聴いて頂きます。

M2「The Headmaster Ritual」/ The Smiths
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。

 歌詞では「脚をぴしゃりと打ち、股間を膝蹴り。顔には肘鉄。そんなひどい教師たちがいる学校にいたくない。家に帰りたい。」と歌っています。
 ただ「痛かった」で終わらないのがモリッシーで、敗者(生徒)を痛めつけてくる敗者(学校の教師)がいるという、マクロ的な権力構造の矛盾を指摘しています。

― 次は、②「圧倒的な音楽愛」にまつわる曲をご紹介します。

M3「Starman」/ David Bowie
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。

 周りの友達は、ひどい学校生活や陰鬱なマンチェスターから、抜け出す気もなくて、腐りあっていくことを許容していく中で、モリッシーは「1972年、13歳の頃に救世主に出会った」と言っています。彼は、「ボウイのスターマンが一回転さえすれば病んだ心が癒された。それがなければ学校にも行けなかった」と語っており、モリッシーの味方のような曲です。

― そして、③のポイント「頑固なまでの自己肯定感」にまつわる曲をお届けします。

M4「Bigmouth Strikes Again」/ The Smiths
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。

 モリッシーは、自分の言動に自信があるがゆえに、それを表に出して発言し、メディアに叩かれていますが、そんな何にでも口を出す自分のことを卑下しつつ、自信も表現している歌です。
「またおしゃべりが止まらない」という邦題がついています。

― 最後に、3月に出た、通算13枚目の彼の最新アルバム『アイ•アム・ノット・ア・ドッグ・オン・ア・チェーン』から、タイトル曲をお届けします。

M5「I Am Not a Dog on a Chain」/ Morrissey
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。

 モリッシーは自分で「最高傑作にして、現実とは思えないほど出来すぎた作品で、良い作品として見なされるにはあまりにも誠実」と自賛しています。
モータウン・シンガーのテルマ・ヒューストンとのデュエットがあったり、シンセサイザーを多用していたりと、新たな聴きやすさも加えているチャレンジ作に仕上がっています。


進行:上村彰子(ライター、翻訳家)
 浅草生まれのライター・翻訳者。1984年、13歳の時にザ・スミスと出会って以来、モリッシーファン歴36年。ライブDVD『モリッシー25ライヴ(ジャパニーズ・エディション)』(キングレコード)の字幕翻訳・解説、そして『モリッシー自伝』(イースト・プレス)の翻訳を担当。

上村さんのブログ【 Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ 】
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