これからの時代の主役となる「Z世代(10代~22歳)」と「ミレニアル世代(23歳~38歳)」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どうした性質や特徴があるのか、さらにグローバルビジネスや海外進出企業も知りたいこれからの消費動向について、ミレニアル・Z世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していく。
☆シェリーさんのPresident記事はこちらから!
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今回は・・・
《なぜ黒人が警官の暴力の対象なるのか》
《人種差別は何故なくならないのか》
について
<本記事を要約すると…>
●人種差別が原因の所得格差のために人種隔離が起こり、それがさらなる格差を生み、差別を増幅させていく仕組みを作られてしまっている
●白人は「黒人にはローンの貸付をしない」など、経済的な差別を行ってきた
●黒人と白人のマリファナ喫煙率はほとんど同じなのに、黒人の逮捕の確率は白人の3~4倍ともいわれている
●学校では黒人の歴史が教えられていない。理由は白人主導でカリキュラムが組まれているから。
●Z世代は半分近くが"マイノリティ"(白人以外)。彼らの多くは、人種を超えて触れ合いたいと考えている。人種差別抗議運動に参加する人も、白人の方が多いくらいの人種を超えた運動になっている!
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綿谷エリナ:
綿谷エリナのOn The Planet この時間は「NY Future Labミレニアル・Z世代研究所」です。
今夜もニューヨーク在住のジャーナリストでミレニアル世代とZ世代評論家シェリーめぐみさんと電話が繋がっています、
もしもしシェリーさん。いかがお過ごしですか?
シェリー:
エリーさん! こんばんは~!
NYは今日は最高の天気!気温は24℃。湿度が低く、さらっとしてて最高です。一年の中でもなかなか無い一日です。
と言いつつ、まだ自宅待機中なので街には人があまりいません。
そしてそのような中、いまデモが行われている。
そんなNYからいつものフューチャーラボの5人のミレニアル&Z世代、ミクア、キサラ、ケンジュ、メアリー、テツが登場します。
ニューヨークも含め、黒人への警察の暴力と人種差別に反対する抗議運動、まだまだ続いています。
既に多くの地方自治体が警察の改革に着手するなどの変化も生まれているんですよ。
もう成果が出てきているんです。
ただし、その間にも新たな黒人に対する警察暴力も起こっています。
そして、この運動が10代から20代前半のZ世代がリードしている運動だということがかなりはっきり認識されてきています。
今日もそのZ世代の意見、
そもそもなぜ黒人は警官の暴力の犠牲になるのか、という根本的な疑問の答えを、彼らの言葉で聞いて下さい。
まずは19歳のケンジュから。
ケンジュ:Racismの歴史があるから
シェリー:人種差別の歴史があるから
ケンジュ:自然にcolorの人になっちゃう。 金とかいろんなresourcesがないから、それと警察の考え方が、こういう黒人の人たちとか絶対悪いことしてるかなとそっちは思ってるんだけど。黒人はその上の人たちから下にやってるからそうなっちゃっうので。
シェリー:この国のシステムが、白人が上、黒人が下というのを作り出してしまっているから、警察もそういう風に黒人を扱ってしまっていると。ではそのシステムというのはどんなシステムでどこからきているのか?
ケンジュ:People of colorとか、黒人の人たちもローンとか取りたいと、ローンとかもhigh interestとかいろんなものがあるんだけど。
シェリー:黒人に対しては利子の高いローンを貸し付けているってことね。
ケンジュ:学校とかもdistrictで分けてるじゃん。貧しい学校に行っているから、その人たちがもっといいeducationとか行きたくても行けないから。
シェリー:学校も、貧しい学区だとお金がないから、満足に勉強できなかったり、いい大学にも行けなかったりということだよね。
テツ;そして、redlining. 今はillegalだけど、until 1960’s & 70’s they were using redlining. And War on drugs本当に悪いポリシーだと思います。
シェリー:
ケンジュが言っていたように、人種差別が原因の所得格差のために人種隔離が起こり、それがさらなる格差を生み、差別を増幅させていく仕組みを作られてしまっているんですよ。
その大きな要素になっているのが、テツが言っていたRedliningとwar on drugsで、「レッドライニング」は今では違法だけど、黒人やマイノリティが住む地域の地図に赤い線を引いて、そこに住む黒人がたとえ中流階級でも、ローンの貸付をしないなどの差別をしてきた。
綿谷エリナ:
え!?そこに住んでるだけで?
シェリー:
そう。その外に住んでいる白人なら貧しくても融資する、みたいな差別をしてきたんです。
結局奴隷制度から立ち直って自分の足で立とうとしている黒人から富を吸い上げて、白人に流すという事を1970年代まで合法的にやっていたわけです。
もう1つドラッグとの戦い。アメリカはドラッグひどいって話聞いたことあると思うんですけど、貧しい地域にはびこるドラッグをなくそうとか、依存症の治療をするのではなく、使っている黒人をどんどん逮捕して刑務所に送る。こういうことをやってきたので、警察官どんどん増えちゃったんです。そして警察官の力が強くなってしまっているんです。
マリファナを吸っていても白人は注意もされず、黒人だけが逮捕される。これは数字にも現れていて、白人と黒人のマリファナ喫煙率はほぼ同じなのに、黒人が逮捕される確率は白人の3〜4倍という数字も。
知らないじゃないですか、こういうこと。黒人は知ってても、日本人はもちろん、白人も知らなかった。
アメリカのZ世代は今こうした制度的人種差別を現実を知り始め、大半はそれが黒人にとって最大の足かせになっていると考えるようになっている。
で。この中で唯一の白人メアリーは、こんな風に話してくれています。
メアリー:私いつも子供みたいな意見があった。みんなが同じで暮らしているとか。
シェリー:これまではみんなが平等に暮らしてると思ってた。
メアリー:でも毎日これは違うことに習う、本当に悲しくて何か変わりたいという感じがあります。
シェリー:みんなお友達とこういう話してる?メアリーはしてる、みんなしてる?
ミクア:してる。私も思うけれど、ずっと小学校とか今高校でも黒人の学校だから、I don’t really have like experience with the people from the other culture beside my family それは問題だと思う。
シェリー:学校も黒人ばかりの学校、白人ばかりの学校って別れてしまっているんだよね。
ミクア:Young ageからやっぱりダイバーシティあったら、obviously when you graduate, you are gonna have to interact with different people. So I feel like that people get that experience of my younger age.
シェリー:だから小さい頃から、白人と黒人がもっと一緒に育って理解し合えば、もっとうまくいくんじゃないかとミクアは思うのね。あとは何かある?
ミクア:そんなに黒人のヒストリーはちょっとだけだし。
シェリー:黒人の歴史を学校であまり教えないないのよね。
ミクア:マルコムXとかそういう話全然しなくて、いつもDr. Martin Luther KingとかHarriet Tabmanその人だけ、それも問題と思う。
シェリー:
ミクアが言っていたように、学校で黒人の歴史を教えないんです。それはやっぱり白人主導でカリキュラムを作っているから。これも理解を妨げる原因になっている。
そしてZ世代は半分近くがマイノリティ(=白人以外)、すごくダイバーシティがある世代なのに学校や育つ環境には意外とダイバーシティがない。分かれてしまっている。
なぜなら白人とpeople of color(有色人種)の間にますます経済格差が広がっていて、それにより住む場所、学区が分かれてしまっているから。
だけど逆に彼らの多くはメアリーが言っていたように「変わりたい!変えたい!」と思っている。
もっと人種を超えて、友達や彼氏、彼女と付き合いたいと思っているわけです。
これにも続きがあって、「家族が人種を超えた結婚することに賛成」という人も4分の3もいて、大人世代に比べてずっとオープン。
いろんな人種が一緒に力を合わせていくこと、それこそがアメリカをもっと豊かで平和な国にすると信じている。
それを実現するために、今抗議運動をしていると言ってもいいかもしれない。
だからこそ、メアリーのような白人が黒人より多いくらいの人種を超えた運動になっている。
アメリカ400年の負の遺産は恐ろしいですよ。聞くと本当に驚くようなことが起きているんですけど、でも彼らが未来に連れて行ってくれるのではないか?という希望も生まれてくる。
綿谷エリナ:
今週も貴重なメッセージありがとうございます。
そして シェリーさんやラボのみんなへのメッセージもお待ちしています。
NY Future Lab。来週もお楽しみに。