これからの時代の主役となる「Z世代(10代~22歳)」と「ミレニアル世代(23歳~38歳)」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どうした性質や特徴があるのか、さらにグローバルビジネスや海外進出企業も知りたいこれからの消費動向について、ミレニアル・Z世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していく。
☆シェリーさんのPresident記事はこちらから!
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今回は《Black Lives Matter》デモ活動についてどう思う?
<本記事を要約すると…>
●NYのZ&ミレニアル世代は、ジョージ・フロイドさんが警官に殺害された事件をもちろん悲しんではいるが、「彼の死を無駄にしたくない」と前向きに見ている
●米国では黒人の運動に白人が協力することで、すでに政治にもプレッシャーが与えられ、警察の構造にも改革が起こっている。
●「今度こそ本当に変わるかもしれない」という希望が生まれている
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綿谷エリナ:綿谷エリナのOn The Planet この時間は「NY Future Labミレニアル・Z世代研究所」です。
今夜もニューヨーク在住のジャーナリストでミレニアル世代とZ世代評論家
シェリーめぐみさんと電話が繋がっています、
もしもしシェリーさん。お元気ですか?
シェリー: エリーさん! こんばんは~!おかげさまで元気です。
NY市、実はロックダウン解除になったのですが、、いろんなことが起きすぎてお話する時間が無い(笑)
さて、先週は番外編で、ニューヨークの人種差別抗議デモに参加したミレニアル・Z世代の若者、白人と黒人の二人の女性の話を聞きましたが、ニューヨーク含め全米の抗議行動は、ますます動員を増やしピースフルに続いています。
ということで、今日はいつものNY Future Labの5人のミレニアル&Z世代に、ミクア、キサラ、ケンジュ、メアリー、テツに、この抗議行動について彼らがどう思っているのか、Zoomで話を聞きました。
でね、このデモに参加しているのは様々な肌の色の若者たちで、むしろ白人が多いくらいだという話をしてきていますが、このラボの5人も肌の色は様々。(サイトやTwitterでぜひ写真を見てください)
そんな彼らに、まず聞いた質問は、白人警官の暴力で殺されたジョージ・フロイドの事件に対しどう感じましたか、というのを聞いてみました。
キサラ: Sad. 私も、みんなピースほしいのに、Angryよりこれどんなふうにワークするの?って感じ。
シェリー:平和がほしいのに怒っている人もいるし、すごく混乱していて一体どうなるんだろうという気持ちになるっていうことね。ケンジュどう?
ケンジュ:最初それをニュースを聞いた時は悲しかった。そのビデオを見たとき。今は多分この10年20年で一番大きい反応、人からあったから、それは喜んでいる。
シェリー:ミクアは?
ミクア:殺されちゃったから悲しいけれど、だけど明るいイメージで見たらhopeがある。
シェリー:希望があると思う。じゃあテツ。
テツ:この問題はジョージ・フロイドよりもっと大きい問題だと思います。いろいろな国はhistoryで 悪いことがあって They need to address that right? and move on. Germany did with the holocaust and Japan did in China. アメリカとブラック・アメリカンのhistoryはstill hasn’t been solved.
シェリー:世界の歴史の中で、ドイツだったり日本だったりが色々歴史の中で犯した間違いというのは、それを正して解決してきているけれど、黒人のことはまだ解決できてないっていう事で、今それが何か新しい動きになるかもしれないって思ってる。メアリーは?
メアリー:私はね白人だから、責任があると感じていますから、毎日勉強じゃなくて、I wanna educate myself on like how I can help.
シェリー:これは、ジョージ・フロイドが殺されたのはもちろん悲しいけれど、みんな意外と前向きだと思いませんか?彼の死を無駄にしたくない、という気持ちですね。
皆さんもご存知のように、警官の暴力で黒人が殺されるというニュースは、残念ながらアメリカではもう珍しくない。
でもケンジュが言っていたように、ここまでなかったような大きなリアクションが起きたのが嬉しいし、ミクアもそこに希望があると感じていると。
テツはそれがもしかすると、 奴隷制度から黒人の人権との戦いという、 400年もの長い間の続いているアメリカの負の歴史を今度こそ清算するきっかけになるのではないかと考えている。
そういう中で、唯一白人のメアリーは、その歴史には白人である自分たちに責任があるから、もっと自分たちも勉強して黒人とこの活動を助けたいと思っているんです。
で、なぜこれがアメリカ全土はもちろん、外国にまで広がる動きに繋がったのか。いろんなところでやっていますよね。このあたりどう考えているのか聞いてみたんですが、その前に先週のデモに参加したという16歳のミクアに、デモの様子を聞きました。
このデモも白人の方が多かったそうですよ。
ミクア:なんかみんなすごいpassionateで…
シェリー:一生懸命?
ミクア:一生懸命叫んで、Unityな感じがする、いろんな人がいたから。
シェリー:Unityな感じというのは日本語でいうと連帯感ね。
テツ:日本でも渋谷でprotestあった。I saw an Instagram. People took it to the street in Shibuya.
ケンジュ:フランスも見た。フランスもすごかった。
シェリー:なぜこんなに世界中でやっていると思う?
テツ:そのビデオが本当に怖いから。It's like watching the murder happening for 10 minutes.
ミクア:同じ感じがする。人種差別ってずっとあったけれど、だけどソーシャルメディアとかそういうコネクションがあって、やっぱりどこでもwherever you are in the world 、誰もが見れるから、気持ちがしたんじゃないかな。
シェリー:世界の人が共感できたんじゃないかってことね。メアリーどう思う?
メアリー:ソーシャルメディアってみんなが強くなる、勉強にもなる。この世代の希望になった気がしますね。もしそんなたくさんの人がそんな気持ちがあるなら、何かが変わる。
シェリー: 差別がない社会で暮らしたいとみんなが思ってるなら、ソーシャルメディアでみんなが繋がって、みんなでやる事で強くなれる、と。メアリーはそれをこの世代の希望だと言っているんですね。
実はBlack Lives Matter(黒人の命も大切)運動自体も、 ネットを使ったすごくオーガニックな活動。全米に30以上の支部を持つが、 特に全体のリーダーというものを置かず、目標と方法論のみを共有しそれぞれの支部が独自に活動しているんです。
で、何かをやるときは、ソーシャルメディアを通じて全米で数千人、数万人を動員できる。このやり方はトランプ大統領への抗議運動”Women’s March”や、グレタさんの環境保護運動にも影響を与えている。
一般市民による下からの改革を目指すという、この世代ならではの運動です。
さらに、黒人の運動に白人が協力する事で拡大する抗議運動は既に政治にもプレッシャーを与え、警察の構造改革などが変わっているんです。こういうことから、今度こそ本当に変わるかもしれないという希望が生まれているんです。
綿谷エリナ:日本から見ていてもスピード感があるし、今回は何か今までと違うぞ?という感じがします。私たちが日本からできることはすごく少ないですけど、「応援している」という気持ちは持ち続けていきたいと思います。
シェリーさんありがとうございます。
そして シェリーさんやラボのみんなへのメッセージもお待ちしています。
NY Future Lab、来週もお楽しみに。