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速水健朗

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警察が使用する改ざん可能なSDカード

2020/6/1 (月)21:00
2020年6月1日Slow News Report



速水:Slow News Report今日は本間誠也さんとお送りします。前回は「内部告発」をテーマにお話を伺いましたが、今日お伺いするのは、“SDカード”です。皆さんおなじみの、デジカメの中などに入っている SD カードのお話をお伺いするんですが、もしかすると冤罪や証拠隠滅に使われかねない状況だというお話なんです。どういうきっかけで SD カードの取材をされるようになったんでしょうか?


改ざん不可能なはずなのに…

本間:2年前の10月に新潟日報という新聞社が、全国の多くの警察で使われているSD カードが、使い方によっては改ざんの余地があって、冤罪の温床になり得るということをスクープとして出したんです。
警察ですから、交通事故の現場や犯罪現場で写真を撮りますが、2010年に警察は捜査で使うカメラをフィルムカメラからデジタルカメラに軸足を大きく転換しました。その時にデジタルカメラで使うSDカードは、構造上、記録した画像の編集加工及び消去が不可能なものを使えという通達を出しているんです。刑事裁判などの場で、事件事故現場の写真などを提出しますけれども、その際に改ざんしたかもしれないというような疑いが全くないような写真を使わなきゃいけませんから、記録した画像というのは、絶対に何も手を加えられないという、そういうSD カードでなければいけないということで、“通達”ではありますけれども、自分達の宣言みたいなものなんですよ。(※改ざんを防止するため、ライトワンスと呼ばれる一度きりの書き切り型SDカードがある)
新潟日報のそのときの報道では、SDカードで記録した画像の改ざんの方法には二種類あって、一つ目はデジタルカメラの内蔵機能を使って改ざんするやり方。二つ目はパソコンに画像データを保存してそれから改ざんするというやり方です。両方のやり方に共通して言えるのは、SD カードを2枚準備して、元の画像が記録されたSD カードをデジタルカメラ、もしくはパソコンに差し込んで画像の記録を保存するんです。そして保存された画像をデジタルカメラの内蔵機能を使ったり、パソコンのフ画像編集ソフトで編集加工、あるいは消去をして、2枚目の新しい SD カードに編集加工後の情報をコピーする。そうすると編集加工した画像だけが2枚目のSDカードに記録されますから、それを持って元々の SD カードをなかったことにすれば、全く最初の写真とは違う写真が記録されたカードが出来上がるということなんです。

速水:本間さんたちが調べた SD カードは東芝メモリー(現キオクシア)というメーカーのSDカードということなんですが、どんなことを調査したんでしょうか?

本間:新潟日報の報道の通りに本当に改ざんが可能なのかということ。そして、新潟日報の取材に対して警察庁は記録した画像を編集消去は不可能なものという通達内容に違反しているということを認めさせるべく取材を進めました。
改ざんの方法については、デジタルカメラの内蔵機能を使う場合は、カメラの機種にもよりますけれども、2枚目のカードに編集加工後のデータをコピーしても、全く改ざんしたという痕跡が残らないということがわかりました。パソコンを使用する場合は、専門家が解析をすれば編集改ざんの痕跡は残るということがわかりました。

速水:今時、デジタル写真はいくらでも加工できるわけですけれども、これを SDカード に戻した時に加工痕が残るんですか?

本間:パソコンの場合は残ります。そんなに簡単にわかるようなものではないんですが、警察の専門的な組織がこの SD カードを見れば、これはパソコンに差し込んだなというのが分かるらしいんです。

速水:デジタルカメラ内に一度コピーしたデータを、2枚目にコピーする場合は改ざんの跡は残らないということが大きな問題ということですね。

本間:カメラの機種にもよりますが、そうですね。

速水:この問題のSDカードは警察ではどれくらい使われているのでしょうか。

本間:全国の警察で SD カードは190万枚使われているんですけれども、そのうちの9割以上がキオクシアのカードです。メーカーに取材したところ、そもそも自分達は世界のマーケットに向けてこれを作ったので、日本の警察に向けて作っているわけではないということで、改ざんできるということを認めていました。


なぜか問題の指摘されたSDカードを使い続けている

速水:このSDカードを警察が使うのは問題があるんじゃないか、という取材告発をしているわけですが、これを販売しているメーカーとしては、商品上の不備ではないんだということを主張されているというわけですね。そうであれば、違うものを使おうという話になれば問題ないわけですよね。他に改ざんできないような、セキュリティのしっかりしたSDカードはないのでしょうか。

本間:警察の使用するSDカードの9割くらいがキオクシアのものだと先ほど申しましたけれども、残りの一割のメーカーのSD カードは、現場で撮影した画像をデジタルカメラの内蔵メモリやパソコンに入れようとしても保存がされないんです。ですので当然編集加工もできません。

速水:ということはキオクシアのSDカードにその機能をつけるか、警察がキオクシア以外のものを増やしていくかということが正解のような気がするんですが、未だに納入され続けているんですか。

本間:そうですね。どうしてそのSDカードに固執するのか、取材を進めていてもそれはよく分かりません。

速水:この機能を使って証拠となるデータを改ざんしたり消されてしまったことは今まで実際にあったのでしょうか。

本間: 8年前に大阪でダンスクラブのNOONというところが風営法違反で摘発された事件があったんですけれども、大阪の曽根崎署は内定の段階からそのダンスクラブの内部の撮影していたことが裁判の中で明らかでなっています。NOON側の弁護士がそれを裁判の場で公表を迫ったんですけれども、そうしたら最初はあると言っていたのに急に「なくなった。間違って消してしまった。」と言うんです。

速水:そういう事例を見てしまうと、やはりそもそも消す機能がなければミスもありえないわけですよね。これは証拠を改ざんしたり消去することを可能にするためにずっとキオクシアのSDカードを使っているんじゃないかと思われても仕方がないですよね。

本間:裁判で証拠となるようなものの機材なのに、なぜ改ざんの余地が疑われたままのものを使っているのか。非常にそれは首を傾げますね。

速水:そしてフロントラインプレスが新潟日報の記事を受けて調査した結果なんですが、その後どうなったのでしょうか。

本間:警察庁のほうで、デジタルカメラを使う際の通達というのがあるんですけれども、その中でSD カードを使う際はデジタルカメラの内蔵メモリーに情報を保存してはいけないということを、東芝メモリーのカードが発売された2年後に文言を追加してたことが分かりました。

速水:これはどういう意図なんでしょうか。

本間:デジタルカメラを使ったら痕跡なく編集ができるから、そういうことはするなと。デジタルカメラの内蔵メモリーに画像情報を保存するなということです。そして、去年の12月末に私どもが取材を警察庁に申し込んだ後、取材を受けてなのかどうかは判然としないんですけれども、今年の1月の中旬に警察庁は全国の警察に向けて、 SD カードの活用可能な製品についてという事務連絡を出していて、そこで「キオクシアのカードを使う際は公判などにおいて不要な疑義が生じる可能性を排除するため、記録した画像をデジタルカメラの編集機能で編集加工等は絶対に行わないこと」という文章がついているんですよ

速水:最初からそんな事ができないものを採用すればいいのに、非常に矛盾していますね。

本間:そうなんです。この問題、まだまだ継続して取材を行っております。

速水:この問題、本間さんには後日また展開があったらお伺いできればと思います。本間さん、ありがとうございました。


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