I Got Rhythm~音楽が生まれる時

I Got Rhythm~音楽が生まれる時

その音楽が誕生し、愛されてきた理由を、残された証言者や音源から紐解いていく音楽ドキュメンタリー番組。
毎回、旬なアーティストやジャンルの話題+切り口でその源流を辿り、掘り下げていきます。

過去の放送(radikoタイムフリー)

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#57『I got rhythm 音楽が生まれる時』 概要と選曲リスト

2020/5/6 (水)00:15
今月のテーマ:「初めてのボブ・ディラン」(第4回:ボブ・ディランの音楽 ― 半世紀の歩み)
パーソナリティ:佐藤良明(アメリカ文学/ポピュラー音楽研究者)


<番組のトーク・パート(概要)と選曲リスト>

― 今月は、「初めてのボブ・ディラン」と題して、ノーベル文学賞詩人でもあるボブ・ディランを知るための特集をお送りします。今回は「ボブ・ディランの音楽 ― 半世紀の歩み」と銘打って、ディランの音楽の幅広さという点に注目した選曲をお届けします。

― まずはデビューアルバムに収められたコアな曲から。テキサス生まれのブルースマン、ブライン・ウィリー・ジョンソンが1928年に吹き込んだ曲のカバーです。

M1「In My Time of Dyin’」/ Bob Dylan
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

この歌を歌うディランは20歳。『風に吹かれて』で有名になる2年前です。ビレッジで、フォーク仲間の先輩からレコードを借りては、古いアメリカ音楽に没入していた頃です。黒人ブルースを真剣にやっていて、コロムビアの大物プロデューサー、ジョン・ハモンドに気に入られて、吹き込んだデビューアルバムに入っています。
こういうサウンドを聞くと、エレキギターをもったことは、ディラン自身にとって「変化」なんかではなかったということがわかります。

― 次はディランのロック志向が前面で現れた4年後、1965年のアルバム『Bringing it all back home』から、ディラン自身が歌った初チャート入りの曲です。

M2「Subterranean Homesick Blues」/ Bob Dylan
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 ほとんどラップのように聞こえますが、この歌の元になっているのは、チャック・ベリーの『Too much monkey business』という、同じリズム取りの曲です。ディランの原点の一つは、同世代のビートルズと同じで、プレスリーやチャック・ベリー、リトル・リチャードというロックンローラーだったんですね。

― さて、この時期、 ディランは『Like a Rolling Stone』『雨の日の女』など、何曲かを全米top 10に送り込みます。そうしてロック音楽の詩のクオリティをぐんと引き上げていくわけですが、その後、自らはカントリーに接近して、カントリー音楽の大物ジョニー・キャッシュとデュオで歌ったりもしました。かと思うと、こういった曲もレコーディングしています。

M3「Can’t Help Falling in Love(好きにならずにいられない)」/ Elvis Presley
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 これはエルビス・プレスリーの映画『ブルーハワイ』で流れた『好きにならずにいられない』です。

― 1973 年『ディラン』というアルバムでは、スタンダード曲を次々と気持ちよく歌っています。

M4「Can’t Help Falling in Love(好きにならずにいられない)」/ Bob Dylan
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 このアルバムは発売当時、世の固定観念を打ちこわすヒーローだったディランが、どうしてこんな商業的な歌を歌うんだと非難されたものです。ディランはむしろ、自分のことを革新者と見なす人たちに対して、あんたたちの固定観念を何とかしてよ、と叫びたかったかもしれません。
彼は、そもそも、アメリカの革新的で前衛的な人と一緒に歩もうとしたのではなく、歌を通して、底辺に暮らす人たちを含むアメリカ人すべてと結びつきたいという思いでいたのだと思います。

― 次にディランが大きなブーイングを浴びたのが、キリスト教に帰依した自分を歌い上げる歌を歌い始めたときのことでした。1980年のアルバム『Saved』から、同名の曲『Saved(救われた)』をお聞き下さい。

M5 「Saved」/ Bob Dylan
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 1980年頃、キリスト教に入信したディランが、2~3年の間、神をたたえる歌ばかり吹き込んでいた時期がありました。この曲も黒人教会の雰囲気を先鋭的にとらえたアレンジです。こういう曲を聴くと、彼の信仰の深入りは、ゴスペル音楽へ愛からきていると思えて仕方ありません。そしてそれは、キャリアのスタート地点で黒人ブルースにはまってたことの延長なのかもしれません。

― さて、老いてますます盛んなディランから1曲お届けしましょう。

M6「Things Have Changed」/ Bob Dylan
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 2001年、彼の還暦の年に、アカデミー賞 Best Original Songに輝いた「Things Have Changed」。映画『Wonder boys』のサントラ盤からです。

― 最後を締めくくる歌として、こちらをお聴きいただきましょう。

M7 「Forever Young(いつまでも若く)」/ Bob Dylan
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 1973年のアルバム『Planet Waves』より。

― 『I Got Rhythm 〜音楽が生まれる時』「初めてのボブ・ディラン」。如何でしたでしょうか。

ボブ・ディランの特集はこれで締めとなります。ボブ・ディランとは何者か?こう聞かれると困りますが、善良で直向きな宇宙人という感じがします。アメリカの田舎町に生まれしてしまって、周りの人間が面白がっていることと相容れなくて、ひらすら個人的な探求を続けていって、過去のすばらしい音楽も、詩人の言葉も自分のものにしてしまった。ふつうの地球人には追い切れない、並外れた広がりがあるので、彼を知れば知るほどこちらの無知を知らされて、それが宇宙的に気持ちいいみたいなところがあります。

~佐藤良明さんが対訳を手掛けた、ボブ・ディランの新訳詩集(全2冊)~
『The Lyrics 1961-1973』『The Lyrics 1974-2012』(佐藤 良明 訳・岩波書店)

390曲に及ぶボブ・ディランの全自作詞を網羅した訳詩集。
佐藤良明さんの考察が加わった新訳で、英語の詩と対訳になっています。
ディランの歌詞の世界にどっぷりハマりたい方は是非、書店等でお手にとってご覧下さい。
書籍の詳細はこちら⇒(岩波書店HPへ)
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