オンライン焚き火

2020年4月28日Slow News Report


想像力をはたらかせて焚き火に参加する

 Slow News Report 今日のテーマは「オンライン焚き火」です。僕も参加しました。もちろん現場に行ったというわけではなくてZoomで参加したわけなんですが、こちらを企画したのは茨城県ひたちなか市にある「イバフォルニア・ビーチキャンピングプレイス」です。こちらピーチという名前の通り、海が近いんですね。Zoomの画面の向こうからウグイスの声が聞こえていて、背景に見えていたのは山の風景なんですが、海も近いそうです。ここでキャンプ場の方が現場でテントを張って、焚き火を起こし、その様子を中継していたわけです。パチパチとい音がして、焚き火の音かなと思っていたのは、どうやら雨の音だったようです。焚き火の音、風の音、雨の音、想像しながら焚き火に参加する。そこが非常に良いところだと思います。
 なぜオンライン焚き火が始まったかというと、いつもキャンプで焚き火をしているアウトドアが好きな方達が、緊急事態宣言でキャンプ場が休業するとの知らせを受けたところ、眺めだけでも焚き火や海を楽しみたいというお客さんの声が多数あって、それならばオンラインでやってしまえということだったそうです。僕らも参加していた時に音に聞こえてきたのは、コーヒーの豆をその場でひいて、お湯を沸かしてコーヒーを入れてもらう。もちろん僕らはオンライン参加なので、こちらで各自準備するのですが、みんな自宅で好きな物を食べながら、そしてコーヒーやお酒など好きなものを飲みながら語り合うのもいいんじゃないか。これがまさにオンライン焚き火の企画の趣旨だそうです。日常の都市の時間の過ごし方とは全然違う時間の流れを、パチパチという音も想像力で補いながら楽しむ。本来の焚き火の本質みたいなところがオンラインでも際立っていて、何かが失われるわけじゃないんじゃないかなんていうことが参加して気づいたことです。このようなオンラインで体験を共有する企画は今非常に増えているということで、こういう企画を販売したり探したりできるプラットフォームもあるんですね。いろんな体験企画販売するサイトTABICAの雫石まどかさんに話を伺っています。

「TABICAでは4月26日現在で約280件のオンライン体験が開催されている状況です。興味深いもので言いますと、オンライン料理教室というのがあります。普段はオフラインで会場に集まってもらって料理教室を開いていた講師の方が、オンライン上で自分の手元や材料を画面に写しながら料理教室をするというのが今立ち上がってきています。ゲストの方からは結構面白いというようなリアクションを頂いてます。自分の家でやるので、家にある食器を使えたり、ガスコンロやオーブンも実際に自分の家にあるもので、先生から教わる料理を再現できるので、その後、家で実際に家族に向けて作ってみようとか、お弁当を再現してみようとかいったことがすごくやりやすいという声が届いています。TABICAでは2月末にこのオンライン体験というものを始めていて、当時はこの状況がどれくらい続くのか、どの程度まで緊急事態なのかということがまだわからない状況でしたので、実験的にやってみますというような形で始めたんですけれども、2~3ヶ月経って、家で子供の面倒を見ながら参加できるだとか、移動の億劫さがないので気軽でいいとか、そういったオンラインならではの楽しみというのが見つかってきた状況なので、今後オンラインで人とつながる体験というものを、我々TABICAとしては続けていきたいなと思っているところです。」

TBICAの雫石まどかさんにお話を伺いました。料理教室はキッチンに行って体験すること、それ自体が商売の基本だったわけですけれども、そこで各自オンラインで自分のお家から参加するという体験を体験するという、ちょっと複雑なことになっているわけですね。これからゴールデンウィークに向けて、普段であれば子供向けの農家体験が盛んになる時期なんですが、今年はちょっと様子が違うということなんです。今年は農家から野菜の種とか、稲の種が送られてきて、その種を植えるワークショップをオンラインで実施する、そんな企画も出ているそうです。世界的に都市型の農業という言葉がずっとキーワードになっていましたが、東京でもこういう家庭菜園の新しい形が広がっていくのは間違いないことかなと思います。

オンライン焚き火に参加した方の感想を伺ってみました。
「オンラインでないと、こういうメンバーで、こういう時間を共有することってできなかったと思うんですね。そういう接点とか流れを持っているというのはオンラインのすごいところだなと思いました。あと、本当はこういう焚き火とかを見て、例えば匂いであったりとか、本当の火のリアル感とか、そういったリアルのありがたさ、本当に五感で感じれるものの大切さの両面を気づけるといういい機会だったなと思います。」

「最初は映像だけでそんなに楽しめるのかなとか思ったのですが、見てるだけでコーヒーの匂いとか届いてきそうなくらいに、結構臨場感あったなと思いました。風の音が邪魔になっちゃったこともあったかもしれないけど、逆にリアルにすごい自然を感じれたのですごく新鮮でいいなと思いました。」

「私も風の音がリアリティがあって良かったなと思っていて、聞きづらいからこそそこに集中しようとするんだと思うんです。オンラインじゃないと多分隣の人と話し始めちゃったりするだろうなと思ったり、火を知っているから見ただけで暖かいって感じるんだろうなとか、そんなことを思いながら見てました。なのでコロナが終わったら、今まで以上に外に出て、いろんな体験をしたいなと思いました。」

参加者の意見いろいろお伺いしました。オンラインではなく、実際にその場にいると繋がりすぎてしまう部分もあるんですかね。そこで行われるコミュニケーションとは違うコミュニケーションがネットだからできたというところなのでしょうか。参加した人たちも、パチパチっていう音が雨の音なのか焚き火の音なのかという想像力をはたらかせないと掴みとれないみたいなところがいいところだったりするのかもしれないですね。


ミニマルなコミュニケーションを楽しむ

 僕はアウトドアは一切しない人間なので、何回かしかバーベキューみたいなものもないんですけれども、焚き火ってものすごく役割分担がはっきり出るじゃないですか。食材を持ってくる人とか、ギターを持って弾き始める人とか、そういうコミュニケーション能力を、焚き火はものすごくあらわにしてしまう部分があるんですが、オンライン焚き火であれば、逆にみんなできることが非常に少ないので、逆にミニマルなコミュニケーションが楽しめるという、ちょっと上級者向けなのかもしれないですね。けれども、火をつけるって非常に原始的な科学技術のスタート地点みたいな部分があるので、そこをオンラインでやるというのは意味があるのかなという気がします。ちなみにこの焚き火の流れで言うと、ノルウェーのテレビ局が焚き火をそのまま流すというコンテンツを放送しました。ずっと焚き火の映像と音を流し続けるということなんです。先日この番組で、浜田敬子さんと、いろいろ準備しすぎた報道はつまらないという話をしましたが、その真逆が焚き火をずっと流す放送みたいなことなのかもしれません。


オンライン疲れ

 今、いろいろオンラインでできるという中で、ちょっとオンライン疲れみたいなものも出てきています。やってみていろいろ気づいたことだと思うんですが、例えば、普段は番組のミーティングは1時間で済んでいたものが、オンラインミーティングだと一時間半かかる。これは多分世界中で起こっていることだと思うんですよね。普段は近い距離でパパッと意思疎通ができてしまうものが、オンライン会議では全部説明し、全員に発言の機会を与え、そして何かしらの結論に持っていくようなことが多いんですよね。それが普段の1.5倍くらい時間がかかってしまったりする。そして「今なんて言った?」みたいな回線が必ずしも綺麗じゃないことでのやり取りで、流れがすごく滞ったり、集中力が途切れたり、何をやるにもオンラインというのは非常に疲れると。今はまだちょっと面白みがあって、オンライン飲み会とかにウキウキしているかもしれないんですが、中にはもう「終電もないから、これエンドレスだよね」と疲れている人もいて、もうすでに「Zoomアル中」なんていう言葉も出てきている側面もあるんですよね。みんなちょっとオーバーワークになってしまっている面があって、家で働けば労働時間が短くなるのかと言えば、そうではなく逆なんですよね。オンラインでもでもオフィスの会議室での会議と同じことを再現しようとしすぎているのではないか、そこに対してひょっとしたらオンライン焚き火が訴えるものは「全然同じことを再現する必要はないんだよ」と言うことなのかもしれません。メッセージ今回は「オンライン焚き火」を取り上げてみました。


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