俺、昔風に言えば正式な歌手じゃない

『ムッシュかまやつKeep on Running~愉快にやろうぜ!“シ・ク・ヨ・ロ”アンソロジー』#32



2007年9月放送より


「マイケル・マクドナルドの声は好きですね。スティーヴ・ウインウッド、ポール・ロジャースも僕にとっては凄い良い声。みんな声のタイプが違うけど、だから、いろんな角度で好きなんだよな」


「坂本九さんって凄いよね。あの時代(1963年)に曲がアメリカのチャートでナンバー・ワンになったじゃないですか。メロディの良さもあるけど、当時、トップ10に入っていた人は、所謂、声が良くて歌の上手い人で、実際、九ちゃんの歌い方は革命的だったと思うんだ。彼の声は感動する要素を持っているね」


「スパイダースの初期の頃、よくライヴの対バンで一緒になったのが<ダニー飯田とパラダイス・キング>だったんだけど、坂本九さんは、そこのリード・ヴォーカルだったんだよ。その頃からあの声で歌っていた。ピッチとしては高めで、ちょっと上ずった感じ。そして、レンジが広いんだ。僕ね、思ったんだけど、ピッチは高い方が得だよね。低くなると歌が下手だと思われる」


「正直、僕にとって歌よりギターの方が大切なのよ(笑)。だから、歌がちょっとシャープになってもいいかなっていう甘さがあるんだ。ガチンコじゃないんだ、俺。昔風に言えば、正式な歌手じゃないってことだよね。スぺア歌手って感じ。自分でもその方が楽だし。でもね、それを許さない人もいっぱいいるんだよ(笑)」


「声が気に入ると、自然にそいつの話を聞いたり、研究しちゃっている。客観的というよりも“お前ってどうなの?”“どういう声しているの?”と知らず知らずのうちに近寄っちゃう。パンピー(一般ピープル)みたいな状態なんだけど、一般ワンフ(ファン)は傍に行けないでしょ。でも俺は有難いことに近寄れるからさ(笑)」


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