アイラ島での蒸留所探訪の続きです。
ブルイックラディッヒは、木桶を用いた発酵。施設の雰囲気も相まって、日本酒づくりに近しい感じです。
木桶でウィスキーのもととなる麦汁を発行させる/font>
こちらでは、蒸留機のそばまで行くことができました。ジュール・ベルヌ作品に出てきそうなアナログの計器を見ながら、お酒の出来を確認しているようでした。
蒸留されたお酒を確認するための装置
熟成庫には、Angel’s shareが確認できる特別な樽も存在。長い間熟成させる中で、ウィスキーも液体ですから、一定量はどうしても蒸発してなくなります。このことを「天使の分け前」といいます。気化が科学的に説明できるずっと昔、人は天使に飲ませることで、おいしいお酒にしてもらえると考えたのでしょう。なかなか素敵な表現です。
ウィスキーの蒸発がわかる樽
スコットランドは寒冷で、それゆえに蒸発の分量が少ない。つまり、気候もじっくり仕上げるウィスキーづくりに適していたわけですね。
それにしてもこの底の透明な樽のウィスキー、けっこう減っていますが、何年ものなのでしょうか……。(「第4回アイラ島〜サイクリストの楽しみ方」につづく)
【コラムニスト】
小西正喜(こにし まさよし)。
自転車と日本酒をこよなく愛する当番組プロデューサ。英国旅以来、スコッチウィスキーの奥深い世界に、大いに魅了されている。