シングル盤のB面に力を入れていました

『ムッシュかまやつKeep on Running~愉快にやろうぜ!“シ・ク・ヨ・ロ”アンソロジー』#29



2008年3月放送より


「僕は(シングル盤の)B面を集中して聴いていたし、レコーディングもB面に力を入れていました(笑)」


「スパイダースというグループの素晴らしかったことのひとつに、メンバー7人全員がA面は売れなくちゃいけないという目的を暗黙の了解でわかっていたことです。僕らは売れない時期が長かったし、リーダーの田邊(昭知)さんが我々をしっかり教育してくれましたから(笑)。だからこそ、B面は好きなようにやれたんだけれどね」


「B面はいつだって入魂モノだったよ。録音もA面以上に時間かけていた(笑)。凝ったところでヒットには繋がらないんだけれど、やがて良い方に進むと信じていたんですよ。振り返るとスパイダースは中々、正しいバンドだったと思います(笑)」


「正直、スパイダースのメンバー外で作られた曲には違和感を覚えたこともあったけれど外側の人の方が俺たちの個性をよくわかっているんだ。だから、ピッタリの曲を作ってくるし、案の定、商業的に成功するんだよね」


「スパイダースは最初、ジャズ喫茶、今でいうライブハウスで演奏していました。100人か200人程度のキャパで、ブレイク前は音楽マニアが70%ぐらい集まっていた。彼らは大抵、B面志向、つまり、オタクみたいな客で、俺たちはそういう彼らを大歓迎していたんだ。でも、曲がヒットしたらコアな人たちの60%~70%が去ってしまったんだよ。その分、何倍ものファンが押し寄せたんだけれどね」


「それで僕は決めたんだ、大衆に向けて音楽を演らないぞって(笑)。ただ、面白いことにディープと言われているモノが次の時代には受け入れられるようになるんだよ。4、50年、音楽の動向を見ているけど、いつの時代もそうなんだよね」


*記事の感想や、
ムッシュかまやつ氏に関するエピソード&思い出を
トークルームに投稿してくださいませ。


*次回は10月21日(月)午前7時頃更新!


↓ムッシュかまやつ氏のプロフィール&活動記録などはこちらをご覧ください↓