☆ジャーナリスト、シェリーめぐみさんのコーナー「シェリーめぐみ from NY」
アメリカで問題となっている電子タバコ。安全と謳われていたけど入院患者が450人、そして死者が6人も…?
今回はこの話題をピックアップ!
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武田俊「シェリーめぐみ from NY!お話を伺うのは、ニューヨーク在住のジャーナリスト シェリーめぐみさんです。もしもしシェリーさん!」
シェリーめぐみ「武田さーん、こんばんはー!」
武田俊「今週も宜しくお願いします~」
シェリーめぐみ「はーい、お願いします~。
早速ですが、アメリカのニュースヘッドラインは緊張感が漂っています。
サウジアラビアの石油施設が無人機で攻撃され、トランプ政権はイランの関与を主張していると、検証されれば報復攻撃も辞さないと言っているため不安が高まっています」
武田俊「はい」
シェリーめぐみ「ですが、原油価格の方は既に急騰し影響が出ています。日本も例外ではありません」
武田俊「いや~怖いですね」
シェリーめぐみ「本当に怖いです。そして アメリカ自動車ビッグスリーの1つGM(ジェネラルモーター)で働く5万人が待遇の改善を求めてストライキに突入しました。これは12年ぶりのストライキなんです。石油もストも、どちらも状況が長引いた場合の景気への影響が懸念されています」
武田俊「心配ですね…」
シェリーめぐみ「いろいろとね。
そして今日掘り下げるトピックはトップから3つ目のこのニュース。
電子タバコが原因とみられる肺疾患が激増しており、ここ数ヶ月で死者が6人に」
武田俊「これ僕も耳にしました」
シェリーめぐみ「びっくりですよね。
アメリカでは6月末以降、原因不明の肺疾患にかかる人が多発、
特に8月下旬から9月はじめまでにその数が倍増し450人にと患者が報告されています」
武田俊「450人!?急に増えたんですね」
シェリーめぐみ「そうなんです。
そして、その多くがZ世代とミレニアル世代の若者(中央値は19歳)だったんです」
武田俊「かなり若いですね…」
シェリーめぐみ「これらの患者は咳、呼吸困難、胸の痛み、さらに吐き気や嘔吐、下痢、発熱など、重い症状の患者が多く入院し、その中から6人が死亡。
死因はまだはっきりわかっていませんが、これらの患者の共通点は電子タバコを使用していたことが報道され大きな社会問題になっています」
武田俊「はい…」
シェリーめぐみ「アメリカの電子タバコの主流はニコチンを含む液体を電池の熱で蒸気化したものを吸う方式で、ベイパーVaper(それを吸う行為はVapingベイピング)と呼ばれています。これまでタバコの最大の問題だったタールを吸引することなく、受動喫煙の心配もないということで、アメリカでは急速に普及しました」
武田俊「うんうん」
シェリーめぐみ「ここまで大きく普及した要因は《ジュールJuul》というブランドなんです。知っていますか?」
武田俊「耳にしたことはあります」
シェリーめぐみ「Vaping(ベイピング)のことをジューリングって言うほど広まっているんです」
武田俊「凄い…1つの動詞になっているんですね(笑)」
シェリーめぐみ「そうなんです。4割くらいジュールと言われています。USBドライブのような形状でカラフル、 フレーバーもこれまでのタバコ味やメンソール以外に、マンゴーやキャラメル味などのカートリッジが装着可能なんです」
武田俊「なるほど」
シェリーめぐみ「これがティーンの間で大流行。一見USBドライブと見分けがつかないため、堂々と教室に持ち込みラップトップで充電する生徒もいるらしいです」
武田俊「じゃあかなり小型なんですね」
シェリーめぐみ「そうです、ちょっと長めのね。
ある調査では、高校3年生の4割がベイピング経験ありと。更に、ここニューヨーク市では中学生の15人に1人が喫煙しているという数字も出ています」
武田俊「凄い数ですね…」
シェリーめぐみ「アメリカで喫煙していいのは18歳以上なので、中学生が喫煙しているのはかなり大問題ですね」
武田俊「そうですよね」
シェリーめぐみ「しかし、なぜここ数ヶ月で急激に患者が増えたのか?
当初は、最近特に流行りのTHC(マリファナから抽出したハイになる成分)入りカートリッジではないか?と言われていました」
武田俊「THCはニューヨークでは合法なんですか?」
シェリーめぐみ「いえ、違法です」
武田俊「あ…違法なんですね」
シェリーめぐみ「医療で使う場合は合法ですが、嗜好で使うのは違法ですね。ですが、ハイにならないCBDは普通に売られています。
このTHCが原因ではないかと言われていました。ところがニコチンだけを吸引した患者も同じような症状を呈しているため、また分からなくなった」
武田俊「うんうん」
シェリーめぐみ「現在、疑わしいとされているのは非合法で製造され売られているカートリッジなんです。こうした闇ルートの製品は製造を正規の商品と違う方法で行うために、肺にダメージを与えている可能性があるともされています」
武田俊「なるほど」
シェリーめぐみ「だけど、まだこれが本当の原因かは分からないと。
しかし、以前からベイピング自体の安全性に疑問を呈する声がありました。
そこでCDCアメリカ疾病予防センターでは、疾患の原因が特定されるまでは、電子タバコの使用をやめるよう呼びかけています」
武田俊「なるほど」
シェリーめぐみ「またニューヨークの州知事が、フレーバー入りの製品(ベイピングの7割を占める)の販売を禁止すると発表しました。トランプ大統領も同じような発言をしていますが、国レベルでの具体的な対策はまだ出されていません。
実は電子タバコをアメリカから日本へのお土産にする人も増えているようなので、注意してください」
武田俊「たしかに…僕の身の回りにも、ベイピングを使用している人がいるので、アメリカのニュースを気にしていました…やっぱり健康に影響が出るものは証拠が出るまで分かりませんから、注意していきたいですね。
シェリーさんありがとうございました!」
シェリーめぐみ「ありがとうございました~」
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