☆ジャーナリスト、シェリーめぐみさんのコーナー「シェリーめぐみ from NY」
アメリカは1日1件以上、犠牲者の出る銃撃事件が起きているって本当?
銃規制はしないの?本日は銃社会、アメリカの今をお届け!
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武田俊「シェリーめぐみ from NY!お話を伺うのは、ニューヨーク在住のジャーナリスト シェリーめぐみさんです。もしもしシェリーさん!」
シェリーめぐみ「武田さーん、こんばんはー!」
武田俊「今週も宜しくお願いします」
シェリーめぐみ「お願いします。こんばんはと言っても今、ニューヨークはランチタイムですよ」
武田俊「そうですよね、丸っと12時間くらいですもんね」
シェリーめぐみ「そうですね、正確には13時間くらいですが、今日のランチタイムの話題は残念ながらこれに尽きるでしょう」
武田俊「これとは?」
シェリーめぐみ「こちらの時間の昨夜(29日)起こったカリフォルニアのマスシューティングですね。もう残念ながら、またとしか言いようがないんですが…」
武田俊「そうですよね、僕もニュースで見ました」
シェリーめぐみ「そうなんですね。事件が起こったのは、カリフォルニア北部のギルロイという街で行われていた、ガーリック・フェスティバルの会場です。人口6万人の街に10万人以上が集まる大規模なイベントなんです」
武田俊「そんなに沢山の人が集まるイベントだったんですね」
シェリーめぐみ「はい。それで、ちょうどイベントが終わる現地時間の昨夜7時40分ころ、家に帰ろうとしている人々の前に武装した容疑者が現れ銃を乱射。少なくとも3人が亡くなり15人が怪我、3人の1人は6歳の男の子だったんですね…」
武田俊「胸が痛いですね…」
シェリーめぐみ「もう、本当に辛いですね。犯人は19歳の《サンティノ・リーガン》という男性だったんですが、その場で射殺されたと報道されています。
実はまだ2人目と見られる容疑者の捜索が続いていて、状況は流動的です。
AP通信によれば、射殺された容疑者は事件の前に《ものすごく怒っているから》と言っていたという証言がありますが、何に怒っていたのかは不明なんです…」
武田俊「なるほど」
シェリーめぐみ「また別の報道では、この人は白人至上主義者だったらしい、と」
武田俊「うーん、なるほど。またかっていう…」
シェリーめぐみ「そう、本当にまたかっていう、若者の怒りとか人種とかが絡んできているんだなと思うと辛い気持ちになります。ですが、この事件の最大の衝撃は、このような家族連れが集まるファミリーイベントで起こったこと」
武田俊「そうですね」
シェリーめぐみ「大規模なイベントでの銃撃が残念ながら増えてきてしまっているアメリカなので、警備は厳重になり、入り口には金属探知機もありました。警官もあちらこちらに目立つように配備されていて、参加者は《安全と感じていた》と証言があるんですよ」
武田俊「はい」
シェリーめぐみ「でも公園のような広大な会場、容疑者は張り巡らされたフェンスを破って侵入して、警官に射殺される前、わずか1分弱の間に、半自動ライフルで連射したと見られています」
武田俊「1分弱かぁ…」
シェリーめぐみ「こうなってくると、これ以上どうやって防げばいいのか? もうこれはどこで起こっても不思議ではない。どうやって身を守ればいいのか?」
武田俊「そうなりますよね」
シェリーめぐみ「ところでこうした銃撃は英語で《Mass Shooting》と呼ばれています」
武田俊「《Mass Shooting》」
シェリーめぐみ「公共の場所で多くの犠牲者が出る銃撃はこう呼ばれていますが、
報道によると、2019年に入ってから246回目のMass Shootingだったそうです」
武田俊「えッ!?246回目!?今年に入って?!?」
シェリーめぐみ「そう。つまりアメリカのどこかで1日1回以上起こっている事になるんです」
武田俊「恐ろしいな…」
シェリーめぐみ「本当に恐ろしいです。そして毎回論争になるのは、問題は銃そのものか、それとも銃を持つ人々の心の問題なのか?という点です。アメリカはよく銃社会と言われていますが、州によって銃規制の法律が違うんですよ」
武田俊「うんうん」
シェリーめぐみ「だからニューヨークなんか、大っぴらに持ち歩いている人なんていないんですけど」
武田俊「はい」
シェリーめぐみ「こんな数字があって。アメリカでは
アメリカ人100人につき120丁の銃がある。つまり1人が1.2丁の銃を持っている事になるんです。これはカナダの3倍以上、ヨーロッパ諸国の4〜5倍。世界ダントツなんです。
ちなみに日本は100人につき0.3丁です」
武田俊「日本の0.3丁というのは警官や自衛隊員の携帯ってことですよね」
シェリーめぐみ「たぶんそうですね。とても少ない」
武田俊「1人につき1丁以上という数字は高齢者や子供入っているから、実際銃を扱える年齢区分だともっと多いということも考えられますよね」
シェリーめぐみ「考えられますね。これは平たくした数字なんで。とにかく銃が沢山あると」
武田俊「はい」
シェリーめぐみ「こういう銃社会で、7割近いアメリカ人がもっと厳しい銃規制を求めています。厳しくないんです。場所によってはガンフェアみたいなものがあり、簡単に買えてしまうことができる」
武田俊「ほうほう」
シェリーめぐみ「こうして銃規制を求めていても、憲法の自衛権で武装が認められており、また、アメリカライフル協会が強力なロビー活動をしている事もあり、銃規制を求めている6割がきっと規制は無理だろうと思っている…無力感なんですよ…」
武田俊「そうなんですね…」
シェリーめぐみ「246回も事件が起こると、感覚が麻痺していく…とても恐ろしいんですよね。暴力を前に感じる無力さはきっとどこに住んでいても同じ。
銃規制とは別に、日本でも起こっている、怒りから無差別の暴力に走る人々の心の問題。なんとかしなきゃと思いながら、ほとんど何もできていないというのが現状なわけです。
実はアメリカでも若い世代に心の病を持つ人が増えていて、どうすればいいか…という話はまた別の機会に」
武田俊「そうですね、1回で話せる内容じゃないですからね」
シェリーめぐみ「話していくべき話題なので、また次の機会にお話しさせてください」
武田俊「はい、お願いします。今回結構重い話でしたが、アメリカの建国の歴史上、自衛権というのは切っても切り離せないもので余計複雑だなと思いました。また色んなケアの仕方を考えなくてはいけないですね」
シェリーめぐみ「はい」
武田俊「シェリーさんありがとうございました。様々なアメリカ情報満載なシェリーさんのブログ《megumedia》もチェックしてみて下さい!」
★MEGUmedia.com: シェリーめぐみの”一歩踏み込んだ”NY情報マガジン"