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来年2020年5月から真打に昇進することになった、落語家の瀧川鯉八さんをスタジオにお迎えしました!
▼ご紹介
・鹿児島県出身
・ご実家は魚屋さんの卸し。
・2006年に瀧川鯉昇師匠に入門
・2010年には二つ目に昇進
・NHK新人演芸大賞ファイナリストや渋谷らくご大賞などを3回も受賞されていて天才?と評価されている!?
・オリジナルの新作落語のみ披露!
・そして、太福と一緒に、新作ユニット「ソーゾーシー」のメンバー
▼落語に出会ったきっかけは?
鯉八「18で高校を卒業して東京の学校に出てきたんですけども、そこまで落語は全く知らなかったんです。鹿児島にはそんな落語文化が無くて。『ウンナンの気分は上々。』っていう番組がありまして、そこで南原さんが落語研究会に入ってたという話を聞いて、そういうものがあるんだと知って。皆が入らないような研究会に入りたいなと思っていたので、そこで入って。落語と出会ったんですけど、在学中はそんな落語を好きなるって事は無かったんだけれども、卒業してなんんとなく音源で聴いてこんなに面白いんだ!ってなって。タイミングだったんでしょうね。そこで四代目・春風亭柳好師匠を聴いて。これが面白くて。」
太福「それは何て言う話だったんですか?」
鯉八「『付き馬』っていう演目、これがたまげまして。古典落語なんですけど、流れている時が違ったんですよね。新鮮な時間を支配する方だなと。それでたまたま貰ったチケットで観に行った公演にうちの師匠(瀧川鯉昇)が出ていましてですね。」
太福「あ、寄席じゃなくて落語会の?」
鯉八「なんかね、高田文夫先生がプロデュースする『柳昇チルドレンの会』っていうのがあって。もううちの師匠の開始1分くらい、マクラで雷に打たれまして。そのネタもどのネタかはっきり覚えてますけども、面白くて、その後はもう聴いてない!衝撃で。なんであのマクラがあんな面白いのか自分なりに論理的に考えたりして。」
太福「へえー…。落語を分析っていうか、面白さを考えたりする口だったんですか?」
鯉八「師匠その時52歳くらいだったと思うんですけど、老け顔なんで80歳くらいのおじいちゃんだと思たんですよ。」
太福「あはは(笑)」
鯉八「80歳のおじいちゃんが20代の男をこんな風にさせるなんて、考えられないと思って!年齢が若ければ若いほど面白いと思ってたんです。」
太福「どっちかっていうと僕もそうでした。テレビとか好きだったから。センスがある人っていうと、若い。枯れた人ってつまんないって先入観がありますよね。」
鯉八「でも今まで見聞きしたお笑いのなかで一番面白いと思ったんです。こんなの作れる人すごい!と思ってすぐ弟子入りにお願いに行きました。」
太福「ええ!?すぐ!?」
鯉八「すぐです。で、あの時のマクラが面白かったんです!って言ったらあれはこれこれこうで、でもこういうアイディアもあったんだけどどう思う?って。僕はこう思いますって。で、弟子入りをお願いしたら、そういう事だったのかいって今度ここに来なさいって家の地図を書いてくれて。」
太福「それまで落語家になろうって微塵も思ってないんですよね?」
鯉八「微塵も思ってない事も無い!一人で出来る仕事って良いなって思ってたり。」
太福「なるほど、仕事もついてないし、兄さんの話を聞くと、アルバイトもなかなか務まらないっていうか(笑)」
鯉八「すぐ辞めちゃうんですよー。デリバリーのお寿司屋さんのバイクを借りたままブッチして辞めるとか。オーナーが家にきてバイクだけ返してくれって。怒られるの嫌だしポスト穴から鍵だけ渡しました。」
太福「ダメでしょ。先輩だけどさいってーだなぁ(笑)」
鯉八「落語が一番続いてるんですよ。」
太福「そういう話聞いてると運命的なものっていうか。」
鯉八「運命を感じちゃったんですよね。僕もこういう運命を感じちゃうんだ、そして運命が降りかかってくるんだって。お導きですよね。(中略)今でも、鯉昇師匠は現存する落語家で一番面白いと思ってます!売れてますけどそれでも過小評価されてると思ってますね。」
▼自分が面白いという確信を持っていた?
鯉八「それまで完全に自分の中だけで自分は面白いって思ってました。傷つきたくなかったから。絶対に然るべき場を用意されるまでは人前で発表してやるものかと。」
太福「えっ、でも何か考えたり書いたりは、」
鯉八「いやそれもー、ほぼ皆無と言っていいですけど。」
太福「すごいですね!!」
鯉八「でも僕は選ばれた男だと思って生きてました。」
太福「それで結果、選ばれた男だったんですもんねぇ。」
鯉八「プロになってから色んな壁にぶちあたりましたよ、何もしてこなかったから。」
太福「おとっつぁんは何て言ったんですか?」
鯉八「落語家になるって言ったら一番厳しい職人気質の父からぶん殴られると思ってたんですけど、すぐ賛成してくれまして。理由として、僕は両親からものすごく愛されて育ったんですけど、普通の会社に入ってたら愛するお前の姿を見ることが出来ないけど、落語家になったら見たい時に見れるからこんな良い仕事はないと。」
太福「(笑) へえー。色んな認め方あるけど、その理由すごいですね。」
鯉八「僕の身体を使ってもう一回人生送ってる感じ。」
太福「そんな親孝行ないじゃないですか。」
▼「天才落語家・瀧川鯉八」
鯉八「太福さんが今、僕の落語が誰にも似ていないっておっしゃってくれたのはすごい誉め言葉で。僕も例えば女性が4人いて、順に綾瀬はるかに似てるね、長澤まさみに似てるね、柴咲コウに似てるね、で最後自分が一番狙いたい子には、キミ誰にも似てないねって言うもん。」
太福「……ああ、ふうん。」
鯉八「これが一番きくんですよね、誉め言葉としては。」
太福「あれ、天才じゃあねぇな?」
鯉八「あははっ!今2時くらいでしょ?2時くらいが一番天才度低いから(笑)」
太福「2時35分が、24時間で一番低い時だもんね?(笑)」
鯉八「38分くらいから戻ってきますから!」
太福「あと3分きいて!」
鯉八「ご安心ください。で、何でしたっけ?」
太福「どういう風に作ってるんです?」
鯉八「4年間前座で毎日寄席にいましたんで、当然落語を浴びるように聴いてるんで、意識しなくとも血肉にはなってる自信があるので、今は意識して落語は参考にしないようにしてます。無意識に落語的になるくらいがいいって。落語的じゃなかったら落語家でいる意味は無いので。僕は今でも趣味として毎晩古典落語をきいてるんですけど。」
太福「あ、新作落語しかやらないけど、古典落語が嫌いとかじゃないんですね?」
鯉八「でもそれは完全に趣味で聴いてますね。勉強では聴かないけど。」
太福「落語以外で影響を受けたものってあります?」
鯉八「僕は、漫画家の中崎タツヤさん。」
太福「あ、僕も好きです。」
鯉八「僕の80%は中崎タツヤさんに学んだもので出来てますね。」
太福「えー!そうですか!」
鯉八「天才だと思いますね。分かりやすい天才じゃないと思いますけど、年を重ねれば重ねるほどこの人すごいなって。落語的。古典落語の一番くだらないとこの共通点もあるし。」
太福「あー。ささやかなところでね、狂気じみたところもあって。」
鯉八「いま絶版になってる作品もあるので再評価されて再販にならないかなと思ってます!あと、イタリアが僕好きなんですけど。俳優の三上博史さんがナレーションをやってる『小さな村の物語 イタリア』って番組が好きなんです。」
太福「へえー。それは新作落語には関係なく?」
鯉八「いや、あります。例えば、以前の回で覚えてるんですけど。おばあちゃんがいて、若い人は都会に行っちゃうと。それは良いんだけど、村の歴史を知ってから出ていくべきだと。何も知らないで出ていくのは勿体ないし、自分の人生の歴史とか自分の一部を捨てていくのと同じ事だみたいだと。それを淡々と三上博史さんのナイスボイスで語られるの」
▼瀧川鯉八独演会ちゃお
7月3日(水)渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
7月20日(土)道頓堀ZAZA POCKET'S
▼『ソーゾーシーツアー2019』
東京9月24日、愛知10月6日、大阪10月7日、福岡10月14日、富山 10月27日
▼瀧川鯉八Twitter
https://twitter.com/koi_hachi