FUTURES ラジオ版学問ノススメ 蒲田健の収録後記

ゲスト:早川いくを(作家・書籍デザイナー)

ワトソンって、、、誰?

早川いくをさんの最新刊「怖いへんないきものの絵」

「怖い絵」シリーズの中野京子さんとの共著である今作。「怖い絵」シリーズの愛読者であった早川さん。コラボ企画とかできたら面白いよね、と冗談半分で編集者に言ったアイデア。すると瓢箪から駒、瓢箪からへんないきもの、なんと中島さんも早川さんの「へんないきもの」シリーズのファンで、とんとん拍子で話はまとまり見事に合体した「怖いへんないきものの絵」。

基本的には様々な「怖いへんないきものの絵」を俎上に乗せられ、絵画の門外漢であると自認する早川さんにエキスパートである中野さんが解説をしてゆくというスタイル。しかし一方的な教えということにとどまらず、早川さんが門外漢であるが故、あるいはへんないきものエキスパートであるが故のユニークな指摘に、逆に中野さんが新しい解釈の可能性に気づくなど、ダイナミックな知的共同作業が展開される。

それにしても、なんでこんな絵が描かれたのだろうと思わずにはいられない「怖いへんないきものの絵」がこんなにも存在することに純粋に驚かされる。しかも早川さんによれば今回の書籍化に当たり選りすぐりの作品のみが入ったのでこれはほんの氷山の一角に過ぎないとのこと。うーむ、人間の興味や営みの多様さを改めて実感せざるを得ない。

「描かれし 微に入り細を穿つもの
        そこにはそんな 意味があるのか!」


P.S. ひょうひょうとした語り口の中に、様々ないきものに対する慈愛を感じさせる早川さん。また新たなコラボ企画も期待してます!