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【書評】
この本は12本収められている短編集で、1本目が表題の『ナイフ投げ師』です。
現代の雰囲気ではないですね、100年とか昔の感じです。
謎めいたナイフ投げ師ですが、すごい技を持っています。
それをみんな見ているのですが、
だんだんエスカレートしていって的になるのが人間になっていって・・・どうなるのか。
というものです。
ミルハウザーは好きな作家で、最初に読んだのが10年前くらいですね。
デビュー作は長編ですが、主に短編を書かれていて構造が似ているんですよね。
日本にはあまりいないタイプの作家です。
存命の作家ですが、昔のゴシック小説みたいな趣きがあります。
アンティーク調のものが趣味の人におすすめです。
この人の作品で映画化されたものもありますよ。
エドワード・ノートン主演の『幻影師アイゼンハイム』です。
原作の雰囲気が映画にも出されていて、映画から入っていっても良いと思います。
デビュー作も面白いですよ。
『エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死』という作品で、
“子どもが子どもの伝記を書く”という内容です。
ただ、これ長編なんですよね。
ミルハウザーの長編は挫折する人が多いです(笑)
とても密度が濃い文章で、セリフを改行しないで進んでいくんですよね。
ぜひ短編から入ってみてくださいね。
▼スティーヴン・ミルハウザー『U179 ナイフ投げ師』
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b205625.html