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ブラックカルチャーから芸者修行へ

菊地あかね アートディレクタ、デザイナー

①起業する前は、芸者修行をしていました。
仙台の高校を卒業して、デザインの勉強をしにアメリカへ単身留学しました。
当時は、ブラックカルチャーやストリートに憧れがあり、和の文化には興味がありませんでした。
しかし、表現者として日本の事をきちんと知りたいと思い、芸者になる決意をしました。
その経験は仕事にも生きていて、女性らしさ、精神の強さ、そしてユニークさです。
アートディレクターは、さまざまな肩書の方と接するのですが、お座敷でも似ていて、お客様に応じて心地よいと思ってもらわなければいけない気配りをしなければいけませんでした。
マルチタスクの連続の世界でした。
その気遣いや気持ちの転換は今でもいきていますし、ちょっと奇抜な存在の自分がいることで、自分を保っています。
芸者やアートディレクターの枠にとどまらない、ユニークな存在でありたいです。
自分だけではなく、周りにいる人の心を楽しくさせてあげたい、また未来のクリエイターを育てていきたいです。


M Changes - 2PAC

②私は高校卒業後、アメリカ留学、企業でデザイナーとして勤務した後、2016年に事務所を立ち上げました。
起業をいつから考えていたかという事ですが、物心ついたころから考えていました。
当時は、中学生で芸人に憧れていて、脚本家として仲間と演じていました。
周りからはいつも何かを作っていて変わっている人だねと言われていました。
起業したばかりの頃は、苦難ばかりでした。
けれど悩んでいても仕方がない、苦難があるのが当たり前だと思うようになってから何も怖くなくなりました。
起業を考えている方は、偉そうかもしれませんが、自分を信じることが大事です。
人は弱い物なので、惰性に流されず、自分自身を心から大切にして、良いエネルギーを持っている人を周りにたくさんおくこと。
私はいつも人のご縁に助けられています。
引き寄せの法則は必ずあると思っていて、環境を自分でデザインして、良い気やエネルギーを循環するようにしています。

M プレイバック part 2 - 山口百恵

③自分で現在、デザイン事務所を運営しています。
お仕事をするうえで意識しているのはお客様との対話です。
自分の人間性を知っているお客様もいますが、大抵はそういう方ばかりではないので、そういう時は対話を本当に大事にしています。
最近は、生け花やお寺にまつわるデザインを手掛けていて、日本の伝統の再変換に関わる仕事をしています。
多くの方の見解を伺って、リサーチを重ねて慎重に進めています。
伝統的なものを現代風にアレンジする、融合させる際の難しさはとっても多いのですが、文化は変わりゆくものなので、やはり古いものは淘汰されてしまう事が多いですが、
私は一生懸命生きている人が好きなので、そういった和に携わる人たちにスポットを当てていきたいです。
自分自身が楽しみながら、成長できる世界なんです。
今年は生け花をVRにして、アメリカのSSXW(サウスバイサウスウェスト)で発表したときも生け花の本質をデジタルという人工的な世界で表現をすることに違和感を感じましたが、逆にその違和感や繊細な表現が受けたようで、
次のプロジェクトにもつながりました。

M Internet of People - Airtime

④様々な企画やプロジェクトに参加しています。
アイディアの源は芸者時代の世界観が生きています。
和の世界からヒントを得ています。
最近は、木版画の昔の着物の図案や能楽を見に行っています。
例えば、日本の伝統色は草木染、命のいろから来ています。
そういう和の本質から新しものに取り込んでいます。
大体朝に起きた瞬間にアイディアが浮かぶのですが、朝が弱いのでいつも対処に困っています。
忙しいながらも良い感性を持つように心がけています。
周りの人やなんでもない時も微笑みを絶やさないようにしたいです。

M Love Is Here To Stay - Tony Bennett&Diana Krall

⑤今後は、自分の絵を大切にしながら絵画に挑戦したいです。
今でも、お寺や芸者さんなどさまざまな人と出会い、成長しています。
WACAIというコミュニティを立ち上げました。
和を楽しんでくれる同世代、若い世代に興味を持ってもらいたいです。
NYにいた仲間や国内外で活動してきた先輩方と動いています。
正しい日本の古き良き文化をアップデートしていきたいです。
プロジェクトに関わる方々に喜んでもらいたいです。

M Inside My Love - Minnie Riperton