FUTURES ラジオ版学問ノススメ 蒲田健の収録後記

小島慶子さん

“あっちは日陰だから、きっと桜も見えないわね”

小島慶子さんの最新刊「幸せな結婚」

隣の芝生は青く見える。何事につけ、こちらが持っていないものを、あちらは持っているように見える。結婚、すなわち夫婦関係も、また然り。自分たちにないものを持っている他の夫婦がやけに輝いて見える。

唯一絶対の幸福の方程式が存在するのであれば、ただひたすらそれに則って邁進すればよいのかもしれない。ただ幸か不幸か、そんな単純な方程式は現実には存在しない。故に周りと自己との相対的な関係の差異からそれを見出そうとしてしまう。だがしかし、求める解はそこに見つかるのだろうか?

今回は“男”にフォーカスを当ててみたかったという小島さん。男女の社会的な意義や立ち位置が変容してきているなか、夫婦のありようを模索するのは、きれいごとばかりではないからこそ、必要な作業であろう。

自戒の念もありながら、実に身につまされる。

「くすぶりながらももがいて 進んでく
          それがリアルな 夫婦なのかも」

P.S. 人当たりがよく柔軟に聞く耳を持ちながらも、言うべきことはズバッと言い切る、というスタンスが貫かれている、話していてとても気持ちの良い方でした。男として追い込まれる部分多々のテーマではありましたが(笑)。