FUTURES ラジオ版学問ノススメ 蒲田健の収録後記

三浦しをんさん

好きだと思える人を描く

三浦しをんさんの最新刊「ののはな通信」

この人さえいれば、という心の拠り所となる存在がいるということは幸せなこと。生きていく上での十分条件ではないかもしれないが、必要条件にはなりうる。そしてそれが「愛」と呼ばれるものなのかもしれない。

前半は女子高校という“秘密の花園”を舞台にしたドロドロ恋愛ミステリーかと思わせておいて、後半にかけて、平和、運命というフィールドにまで言及する、骨太で熱量の高い大河小説とも呼べる今作。

ファンシーなタイトル、装丁だけで手に取るのをためらう人がいるとすれば、それはあまりにもったいないと声を大にして言いたい。老若男女問わず、どの層にも読んでもらいたい傑作である。

「誰にでも 色んな人生 ありうべし
      それぞれが持つ それぞれの色」

P.S.マンガが心の駆動力になるというお話は、意外でありやがて納得というものでした。その真意は是非インタビュー音声でご確認を!