バッタの起源はアフリカ!?

【延長編】厚木市郷土資料館・学芸員の槐 真史さんです!



◆先生は、今何匹飼ってるんですか?

先生:ハンドブックを書いている時は、300匹~400匹飼っていて、マンションに見立てて玄関で飼っていました。
今は、大分落ち着いて、自分が飼いたいものだけ選んでます。
大体50匹ほどですかね。

五郎さん:どの辺の種類を飼ってるんですか?

先生:最近沖縄に行っているんですが、沖縄の方の種類を持ってきて、それが関東でどういう育ち方をするか見ています。

◆どうやって捕まえているんですか?

先生:(淡々と)普通に網。

網ですか~(笑)

◆捕まえに行くオススメ場所はありますか?

先生:公園だったらどこでもいると思います。

しょこたん:どこでも!?

五郎さん:どこでもいると思うよ。草があれば。

しょこたん:そうなんだぁ~。
うわぁ!なんか、二足歩行してる!
壁に・・・足ながぁ!
オスが立ち上がってます!
うわぁ~!
足長い!

先生:後ろ足赤くない?

しょこたん:赤い

先生:後ろ羽もそうなんですが、後ろ足もおしゃれしてるんですよね~。

五郎さん:今日、持って来られた昔の本みたいなのは何ですか?通俗直翅類図説?

先生:これ、大正時代に出た本なんですが、バッタやかまきりの直翅類の本なんです。
大抵図鑑って虫の名前が書いてあって、その特徴が書いてあってというものがこの時代は多いんですよね。
しかし、この通俗直翅類図説はチャートが載っているんです。
特徴を辿りながら、1と1を比べてみようみたいな~。

五郎さん:直翅類各科の検索表~!

しょこたん:あれ、ゲームブックみたい!

先生:そうですね~。

(五郎さんここで本を読み始める。)

五郎さん:こおろぎときりぎりすの違いは~。

先生:1978年に大阪の昆虫という本に出会い、ここで初めてチャートというものを知り、これよりも前のものはセミの検索になります。

五郎さん:なんか、俺これ見たことあるな~。(笑)
やっぱりこれ自然史博物館にやつですね!

先生:そうですそうです。

五郎さん:懐かしい!この手書きが良いですよね~

先生:この通俗直翅類図説がチャートの原点かなと思っていたのですが、それよりも前に明治時代に書いている人がいましたね。

五郎さん:これですか、理学博士丘浅次郎先生ですね。

~このあと、いろいろな昆虫図鑑の話が続きました。~

しょこたん:今後、先生がバッタの事で知りたいこと、研究したいことはなんですか?

先生:やっぱり、どのバッタが何回脱皮をして成虫になるのか、そういう生活のありかたなどの分かっていない部分を研究したいですね。

五郎さん:先生!(笑)分かってないですか?

先生:はい。

ご:分かってないの!?何をやっていたんですか?研究者は今まで。(笑)

先生:殿様バッタとか、メジャーなものは分かっているんですが、それ以外の小さいものですね、なかなか得られないものを記録したいですね。

ご:意外とないんですか?

先生:ないですね。だから、何回脱皮するか分からないです。

五郎さん:え~~~!!

しょこたん:謎だらけですね~。交尾も分からないし。

五郎さん:大体、研究している人があまりいないんじゃないですか?

先生:そうでもないんですけどね~。

五郎さん:最後の最後にビックリ発言ですよ~!

先生:はい。

五郎さん:かなり基本的なところが謎なんですね。

先生:やっと最近になって、日本のバッタが何種類か分かって、それまではあーでもないこーでもないと言っていて、やっとスタートできたところなんです。

五郎さん:では、これからバッタの研究をしようとしている人にもまだまだ残されている事はいっぱいあるんですね。

先生:はい。いっぱいありますね。
鳴き声一つにしても、意味がまだ解明されていないですし。

五郎さん:バッタは真剣にやったほうがいいね。

先生:あと、バッタは身近な昆虫なので家族で調べるのも良いと思います。
でも、カブトムシには負けちゃうんですよね。

五郎さん:ビジュアルの問題かな~。

先生:あと、バッタは暑い場所にいるので手で触ると熱いです。
自分で体温調整ができないので。
あと、カブトムシみたいに殻が硬くないので、ドクドクドクドクいってるのが分かります。

五郎さん:それがいやなんですよぉ~。

先生:小さな命を感じるにはいいんですよ。
好きじゃなくても体感してみてください。

五郎さん:20cmくらいのバッタがいたって書いてあるけど、

先生:それは国外じゃないですか?

五郎さん:ブラジル。

先生:アフリカが起源だと言われているので、かなり大きいのがいると思います。

しょこたん:私は先生が早く交尾の始まりから終わりまで動画でとってくれるのを待っています!

五郎さん:交尾の始まりから終わりを先生がまだ見たことないって言ってるからね。

しょこたん:最優先で調べてもらいたい!

五郎さん:なんでだよ~!(笑)

先生:ははは~。殿様バッタを飼育している多摩動物公園なんかは治験をおもちかもしれないですね。
出ていないだけで。

五郎さん:特に出す事もないけど。
お前以外みたいと思わないし。

しょこたん:へへへ。

最後に、槐先生が一番好きなバッタはなんですか?

先生:あえてひとつ選ぶなら、カワラバッタでしょうね。

しょこたん:河原にいるバッタですか?

先生:はい。

五郎さん:肉食うって言っていた奴ですよね?

先生:そうですね。魚の干物を食べますね。
ただ、このバッタは地味で、河原の石の色をしていて、じっとしていると決して見つからないんです。
でも、歩くとビョーンって飛ぶんです。すごい笑っちゃうんですけどね。
ちょっとおまぬけなバッタなんです。

五郎さん:羽が青いんですか?

先生:そうなんです。
後ろ羽がコバルトブルーで、すごくキレイなんです。
そこが私の一番の一押しですね。
ただ、東京や神奈川では絶滅に近い状態なんです。

五郎さん:なるほどね~。河原バッタ。
先生のハンドブックが絶賛販売中です。

先生:このハンドブックの売りは、成虫だけじゃなくて幼虫もチャートで分かります。

先生、今日はありがとうございました!