湯浅町の、今も昔ながらの製法で作り続ける1841年に創業した醤油醸造の老舗、『角長』

放送後記

日本遺産。
その裏には数々の歴史的なドラマ・魅力的なストーリーが隠されています。
JAPAN HERITAGE~ラジオ日本遺産~。

今回は、「『最初の一滴』醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅」と題した和歌山県の日本遺産の中から、湯浅町の、『角長』をご紹介しました。

1841年に創業した醤油醸造の店、「角長」。
創業当時の建物や古い道具を使い、
昔ながらの手作りを続ける数少ない老舗です。

角長の作る醤油の原材料は国産の大豆と小麦、そして岩塩、水で出来ています。


大豆と小麦を前処理した後、種麹菌を混ぜ合わせ、麹室に入れて菌を繁殖、塩と水を入れて、創業当時から大切に使われている仕込み桶に貯蔵します。


角長の仕込み蔵の天井や梁には『蔵酵母』と呼ばれる
酵母菌が付着しており、この蔵酵母が仕込み桶に降り注ぐことで、
より上質な醤油の風味が熟成されていくのです。

こうして出来た麹は「諸味」と呼ばれます。


1年以上をかけてじっくりとかき混ぜると、諸味を取り出し、搾りにかけます。
この時搾りだされた液体を、薪を使って釜で炊き上げれば完成。
豆腐によし、刺身によし、と普段の食事に艶やかな彩りを与える逸品です。

そして角長は、かつて湯浅で初めて生まれた製法でも醤油を醸造しています。
搾りも加熱もしない、2年以上かけて熟成された諸味の上澄みのみを取り出した、
生の本醸造濃口醤油、その名も「濁り醤」!


とても味わい深く、芳醇な香りを楽しめる醤油をご賞味あれ!

ぜひ、あなたも日本遺産へ。新たな日本の魅力を再発見してくださいね。