THINK ABOUT AIDS 2017

THINK ABOUT AIDS 2017

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THINK ABOUT AIDS 2017 (THINK ABOUT AIDS 2018)

特別番組


――HIV感染は横這い。しかし…――

日本国内のHIV感染者や患者発生動向を把握、公表している厚生労働省エイズ動向委員会は、2017年8月30日、2016年の1年間に、新たにエイズウイルス(HIV)への感染が分かった人が計1448人とする確定値を発表しました。
前年に比べると、14人増の横ばい。内訳は、すでにエイズを発症していた患者が437人、
未発症の感染者は1011人でした。
かつて「死の病」とされたエイズ。国内の新たなHIV感染とエイズ発症の報告数は年間1500人前後で推移しています。

現在は、抗HIV薬の多剤併用療法が確立され、早めに感染に気づき適切な時期に治療を始めれば、ウイルス量を検出できないほど減らしてエイズの発症を抑えられるようになり、慢性疾患の一つと捉えられるまでになっています。

しかし、進歩した治療薬でウイルス量を抑え、日常生活が送れるようになりましたが、社会の偏見は今も根強いものがあります。

――今回のテーマは「共に生きる」――

HIV/AIDSはコントロールできる病気になってきたのは事実ですが、だからこそ日々生きていることの支援が重要になっています。
一方でHIVに感染している人の7割が何らかの種類の薬物を使ったことがあることが明らかになっています。

今回は、「自傷・自殺」「薬物依存」「若者の生きづらさと支援」などの講演会を数多く開催している精神科医の松本俊彦先生をゲストに迎え、「生きづらさ」をどう支えるか?という視点でHIV/AIDSだけではなく、「生きやすい世の中づくり」のヒントを模索します。

[ 出演者紹介 ]

○岩室紳也 (いわむろ しんや)
自らを「コンドームの達人」と称し、
医師として厚木市立病院泌尿器科でHIV/AIDSの診療に関わりながら、
ヘルスプロモーション推進センター代表として
全国の学校や医療機関などで、精力的にエイズ予防に関する啓発活動を行なっている。

―著書―
『エイズ-いま、何を、どう伝えるか-』『「思春期の性-いま、何を、どう伝えるか-』
『イマドキ男子をタフに育てる本』『災害時の公衆衛生―私たちにできること』他多数。

―イベント―
各地で開催の性啓発イベント「AIDS 文化フォーラム」運営

[ ゲスト紹介 ]

○松本 俊彦 (まつもと としひこ)
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 
薬物依存研究部 部長
1993年、佐賀医科大学卒業。横浜市立大学医学部附属病院精神科助手などを経て、2004年に国立精神・神経センター(現、国立精神・神経医療研究センター)
精神保健研究所 司法精神医学研究部室長に就任。
以後、同研究所 自殺予防総合対策センター副センター長などを歴任し、2015年より現職。
日本アルコール・アディクション医学会理事、日本精神科救急学会理事、日本社会精神医学会理事。

―著書―
『薬物依存とアディクション精神医学』(金剛出版)、『自傷・自殺する子どもたち』(合同出版)、『アルコールとうつ・自殺』(岩波書店)、『自分を傷つけずにはいられない』(講談社)、『もしも「死にたい」と言われたら――自殺リスクの評価と対応』(中外医学社)、『よくわかるSMARPP――あなたにもできる薬物依存者支援』(金剛出版)、『薬物依存臨床の焦点』(同)など著書多数。