(前編)
スキマなゲストに大東文化大学 経済学部 教授の山下東子先生にお越しいただきました。
東南アジアのマグロ漁業を研究していたことをきっかけにツナ缶のコレクターになったという事で、現在では、世界各地のツナ缶を25か国、200種類ほど収集されています。
そこで、今回は「ツナ缶」についてお話を伺いました。
(2017年6月27日、7月4日放送分)
◆ツナ缶の「ツナ」にはどういうマグロが使われていますか?
ツナ缶の多くは、実はカツオなんです!
世界全体ですとツナ缶の8割がカツオです。
※しょこたん:え!ずっとマグロだと思っていたからショックだな・・。
◆残りの2割は何の魚ですか?
ビンナガマグロとキハダマグロです。
ビンナガはびんちょうってよく言われていますよね。
うすい色のマグロです。
加熱をすると薄い色のツナ缶ができます。
ツナ缶の中では高級品になります。
その次が、キハダです。
お刺身ですとキハダの方が高いですが、ツナ缶になるとビンナガの方が高いです。
カツオが一番安くて、一番豊富にあります。
日本では、6割がカツオで、4割がマグロになります。
※先生が、収録の為に缶詰をいくつか持ってきてくれました。
ビンナガ、キハダとカツオを用意してくれて、皆で食べ比べをしました。
三種類すべて油漬けです。
食べ比べてみると味が違いますが、普通に食べると違いはあまり分からないと思います。
しょこたん:三種類とも味が違う!!
◆ツナ缶はいつ頃食べるようになったのですか?
これは、受け売りなのですが、戦後1960年代だと言われていて、静岡県立焼津水産高校がマグロの油漬けの発祥の地だと籾山先生がおっしゃっています。
※農林水産省のホームページにも載っていました。
アメリカ向けに輸出するために作られ、日本でも売ったら受け入れられたとの事でした。
※ツナ缶が出来る50年前には、既に北海道でサケ缶が製造完成しています。
◆海外ではどの国が一番ツナ缶を消費していますか?
単体で一番食べているのはアメリカです。
◆アメリカでも作っているのですか?
アメリカでも作ってはいて、今でも細々と作ってはいるんですが、今はもっと人件費の安い東南アジアで作られています。
日本も実は同じです。
昔はアメリカに売って、外貨を稼いでいたのですが、今は個人向けのものしか殆ど作っていません。
業務用のツナ缶は、全世界で、120万トン製造されていますが、そのうちの40万トンはタイでつくられています。
◆外国向けのツナ缶と日本向けのツナ缶に味の違いはありますか?
日本とアメリカのツナ缶の味はほぼ同じです。
クラシック味(オリジナルの油漬け)になっています。
ただ、アメリカは肥満問題が出てきたので、油漬けよりも水煮になりました。
水煮の方があっさりしています。
◆アメリカには水煮缶以外にも違う味のツナ缶はありますか?
ツナマヨの缶詰がありますが、これがあまり美味しくありません。
やはり日本人とアメリカ人の味覚の違いがあると思います。
※しょこたん:やはり海外の方の味覚はたまにぶっとんでいますよね!
先生:ぶっとんでいます!(笑)
(後編へ続く)