天然の漁場として江戸の人々の食文化を支えてきた港町と江戸っ子の小旅行として人気だった「外川の町と磯巡り」

放送後記

今日は「北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み」と題した千葉県の日本遺産の中から銚子市の外川の町と磯巡りをご紹介します。

天然の漁場として、江戸の人々に海産物を供給し、食文化を支えてきた港町、銚子。
江戸っ子の食文化を変えた「関東風の醤油」を生み出した醤油の街でもあります。

そして銚子の漁港は、江戸時代初期に崎山治郎衛門(えもん)が築港した外川港から始まりました。


JR銚子駅から、レトロな車両の銚子電鉄に揺られ、およそ20分。終着駅、外川に着きます。


大正12年に建築された、風情たっぷりの木造駅舎を出ると、江戸時代に整備された碁盤の目のような区画が続く、古き良き漁師町の風景が広がります。
特に駅正面から漁港へと続く長い坂道から見える景色は、
まるで映画の中に入り込んだような美しさ。
思わず海まで走りだしてしまいそうです。


また当時江戸っ子の小旅行として人気を博していたのが、銚子の磯めぐりです。
「銚子の磯めぐり」とは、飯沼観音として知られる円福寺などの寺社や、犬吠埼などの海岸線につらなる奇岩怪石をめぐる旅です。

なかでも、見どころは、太平洋の荒波が作り上げ屏風ケ浦の雄大な景観。
遠くに富士山を望む「富士見」の名所としても江戸っ子に人気で、歌川広重の浮世絵の題材にもなりました。

そして・・・銚子に来たら食べていただきたいのは、なんといってもお寿司。
地元の漁港でとれた新鮮なネタを、銚子自慢の濃い口醤油で食べる江戸前ならぬ「銚子前」にぎり、もうたまりません・・・

北総四都市には、江戸時代から変わらぬ町並み、
そして江戸から受け継がれた伝統文化が今も色濃く残っています。

ぜひ、あなたも日本遺産へ。新たな日本の魅力を再発見してくださいね。