利根川水運と結びついた北総の代表的な商業の町、そしてユネスコ世界遺産にも登録された伝統行事、「佐原の町並みと山車行事」

放送後記

日本遺産。
その裏には数々の歴史的なドラマ・魅力的なストーリーが隠されています。
JAPAN HERITAGE~ラジオ日本遺産~。

今回は「北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み」と題した千葉県の日本遺産の中から香取市の「佐原の町並みと山車行事」をご紹介しました。

成田空港から車で東におよそ10分。
利根川水運と結びついた商業活動により、佐原は北総の代表的な商業の町として栄えました。

「お江戸見たけりゃ佐原へござれ、佐原本町江戸優り(まさり)」
江戸時代に唄われた戯れ歌からも当時の佐原の繁栄ぶりがうかがえます。

その佐原の町並みは、今でも江戸時代の商人の暮らしを体感できるような情緒のある伝統的な建造物が建ち並んでいて、平成8年には、関東で初めて重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。


しかも、佐原には昔ながらの家業を引き継いで今も営業を続けている店が多いんです。
伝統の建造物が今も実際にそのままの役割で活用されている・・・「生きている町並み」としても非常に高く評価されています。


そんな佐原を代表する伝統行事が、「佐原の大祭」です。

毎年7月には夏祭り、10月には秋祭りとして開催されるこのお祭りは、佐原の町の繁栄と共に発展していった、およそ300年の伝統のある関東三大山車(だし)祭りの一つです。

そう、このお祭りで一番特徴的なのが「山車」です。

ケヤキ造りの本体の周囲には豪華な彫刻が飾り付けられ、
上部には源義経(みなもとのよしつね)や「ヤマトタケルノミコト」など歴史上の人物をかたどった、身の丈5m近くある大人形(おおにんぎょう)が飾られている・・・という実に重厚な山車。


夏祭りでは10台、秋祭りでは14台もの自慢の山車が、
日本三大囃子(にほんさんだいばやし)の一つ、「佐原囃子」と共に、佐原の町を練り歩きます。


昨年12月には、ユネスコの無形文化遺産にも登録された、世界に誇る伝統の山車行事。
見に行ってみてはいかがでしょう。

ぜひ、あなたも日本遺産へ。新たな日本の魅力を再発見してくださいね。