蒲田健の放送後記

番組MCの蒲田健による放送後記 今回は脳科学者の中野信子さん

シロかクロかというものではなく、人類の中にグレーゾーンのような
広がりをもって分布している。

中野信子さんの最新刊「サイコパス」

凶悪な反社会的人格という文脈で語られることの多い「サイコパス」という用語。
高い知能を持ちながら平然と猟奇的な殺人を犯す
ハンニバル・レクターのような人物はその代表例というイメージである。
仮にそれのみがサイコパスの本質であるならば
進化の過程で社会的に淘汰されていく方向になりそうなものだ。
しかしながら彼らは一定の割合で存在する。それはなぜなのか?

脳科学者である中野さんは脳の構造、機能に着目しその理由を解き明かしてゆく。データが突きつける真相はある意味無慈悲である。

サイコパスが厄介であるという側面は少なからず存在する。
しかしながら、例えば変革をもたらす駆動力の要素をパーソナリティとして
内在しているということも見逃してはいけない側面。
善悪の二元論で語れるほどコトは単純ではないのである。

社会のありようの多様性を考えるうえで、サイコパスは、その存在意義も含めて
非常に興味深い。

「ほどほどの 距離を保てば お互いに
         メリットありそう サイコパス」 


P.S.本文中のチェックリストでは非サイコパスというスコアでしたが
中野さん曰く自分で採点すると低めに出るとのことで、
サイコパスの多い職業」第3位にランクされる職業従事者としては
自分の真のサイコパス度合いがとても気になるところです。