2016.12.14~ 「写真は、”誰かのために撮る”」

第116回 ゲストは、写真家のハービー山口さんです。

ハービーさんは、生後2ヶ月で結核菌による”カリエス”を患いました。
その後も、中学生まではコルセットをした生活だったそう。
「健常者だった記憶はないんですよ。腰の骨が痛くて。
 自分で歩けない、立てない、いじめられっ子で。」
その後、小学校高学年の時に駅で見た、ブラスバンドに感銘を受け、 
中学でブラスバンドに入部。しかし、体調も芳しくなく、
才能もないと決断し、写真部に転部されます。

「でも、テーマは一緒なんですよ。
  ”人の心に勇気を与える、あの音楽を、
 写真でできないかって思ったんです。
 僕みたいな、夢も希望もない人に、
 希望を与えるっていうのが、写真の大前提です。」 

大学卒業後には、ロンドンに渡ります。
「新聞社、広告代理店、とか入社試験いくつか受けたんですけど、
 全部落ちて、日本の社会にも、誰にも必要とされてないんだと思って、
 ロンドンに行っちゃいましたね。さらなるロンドンでも劣等感を感じて。」
もともと半年のつもりで行ったロンドンでしたが、
日本に帰りたくない!という思いで、日本人劇団に入団。

そんな中、元サンタナのドラマー:マイケル・シュリーヴと知り合います。
「“人生とはお金と名誉ではなく、自分の足でどれだけ人生築けるかだよ
 ぼくは、ドラムステックでそれをやってる、君はカメラなんだろ?
 それと一緒だよ。”って言われて。頑張ろうと思ったんです。
 その後、お金ないからジョージって人とルームシェアしてて、
 彼は半年ぐらいで出て行って、デビューしたんです。ボーイ・ジョージです」
他にも、デザイナー:Vivienne Westwoodや、The Clasのジョー・ストラマーなど
数々の人に出会い、ロンドンでもカメラマン生活が続いていきます。

さらには、ハービーさんは、結婚前のダイアナ妃も撮影しています。
日本人の友人から、ここ数日パパラッチが、
ある女性を撮影している、と連絡があったそう。
「あなたも撮っておけば?有名になるわよ って言われて。
 ダイアナ妃が使う車があること、朝7時半ごろに出かけていること、
 も教えてくれて。直接声を掛けて撮らせてもらいました」

アイルトン・セナのリタイアも撮影に成功し、
”人のために撮ること”で数々の現場に遭遇できている、
と、ハービーさんは語ります。


M1. パイオニア / 山崎まさよし
M2. Black Magic Woman / Santana
M3. London Calling / The Clash
M4. Church Of The Poison Mind / Culture Club