スキマから聴こえてくるラジオ ~平野啓一郎の“そろそろいい時間”~ 第25回

スキマから聴こえてくる ラジオ~平野啓一郎の“そろそろいい時間”~


小説家・平野啓一郎と、トムセン陽子の二人がお送りする
スキマから聴こえてくるラジオ ~平野啓一郎の“そろそろいい時間”~
10月8日、第25回目のオンエアでした!
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今年は、「ジャズの帝王」マイルス・デイヴィスの生誕90年。
また、没後25年という節目の年でもあり、年末には彼の自伝映画『マイルス・アヘッド』が公開されたりと、色々と動きがあります。
ということで今回は、まるまるマイルス・デイヴィス特集でお送りしました。

マイルス(・デューイ・デイヴィス三世)は、1926年5月26日、イリノイ州アルトン生まれ。
祖父が大地主、父が歯科医という家系の、いわゆるお坊っちゃま。
トランペットとの出会いは9歳の時。
父親の友人から中古のものをもらったことに始まります。
1944年、セントルイスを訪れたアルトサックス奏者のチャーリー・パーカー、そしてトランペッターのディジー・ガレスピーと共演したことから、プロの道を歩み始めることになるのです。

マイルスは、憧れのチャーリーそしてディジーとの共演を夢見て、新天地NYへ。
当時はコード進行に乗っ取りながらも、自由なアドリブ(即興演奏)をスリリングに楽しむ、ビバップ・スタイル全盛の時代。
はじめはその刺激をものにしようとしたマイルスですが、いつしか、果たしてこのスタイルが自分に合っているものなのかと疑問を持ち始めることになって...。
そんな中彼が見いだしたのは、ホットなプレイとは対照的なクールな響きや、楽器が織りなすアンサンブルの面白さだったのでした。

1950年代になると、ジャズのスタイルは、ビバップから、より聴きやすいハード・バップへ。ハード・バップでは、グループとしての一体感に重きを置きながら、ソロのアドリブでは、メロディアスで洗練されたフレージングが目立つのが特徴です。
      
そんな時代のマイルスは、ブルーノート、プレスティッジ、そしてコロンビアといった名門レーベルと、次々契約を果たし、今でも受け継がれている名盤を輩出していきます。
一方で、50年代前半は、得た収入をドラッグに費やしてしまうという、苦悩の時期でもありました。

60年代の後半はと言うと、時代的にはビートルズの後期、ボブ・ディランがエレキ・ギターを使い出し、サイケデリック・ロック全盛の時代。
ここからは、いわゆるエレクトリック・マイルスと呼ばれる時代に入っていき、アドリブ・ソロから構成されたアンサンブル・サウンド志向に。
また電子楽器の導入で、マイルスの脳内サウンドを具体的に表現出来るようになりました。

そして70年代。
マイルス・ジャズのロック化、リズムに対する追求は、ますます止まらなくなっていきます。

40年代後半から70年代中盤までトップランナーとして、一気に駆け抜けてきたマイルスですが、’75年健康の悪化(股関節の痛み)により引退を表明。
49歳のことでした。
6年後にはまた音楽の世界に戻ってくるんですが、 復帰までの間、トランペットには一回も触れず、カーテンを閉め切った自宅で、ドラッグとアルコールに溺れ、無為に時間を過ごしていたということです。

~告知~
『マイルス・デイヴィスとは誰か』でご一緒された小川隆夫さん、平野さんの対談番組を今後放送予定です。マイルスに関するもう少し深く分け入った話をしていく予定ですので、お楽しみに!!
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ONAIR リスト

● Move / Miles Davis

● Airegin / Miles Davis

●Flamenco Sketches / Miles Davis

●Riot / Miles Davis

●Bitches Brew/ Miles Davis

●One and One / Miles Davis

● Human Nature / Miles Davis
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