幕末モノになりますが、あまり映像作品などで泣かない私が産まれて初めて込み上げてしまった作品が渡辺謙さんの「壬生義士伝」の名優内藤剛志さん演じる次郎右衛門の最後のシーンでした。
壬生義士伝は家族の為、脱藩して新選組で稼いだ吉村貫一郎が新選組壊滅後逃げ延びた先で幼い頃は仲の良かった旧友だったけど立場上脱藩した者を許してはいけなかった大野次郎右衛門が貫一郎に切腹を言い渡すお話でした。
切腹する最後の最後まで家族へお金を送ろうとする貫一郎にも感動できますが、
私が込み上げたシーンは本当は貫一郎を助けたいけど立場上、毅然として裁かないといけなかった次郎右衛門が
その後、朝敵となり処刑される数日前に部下の計らいで、訳あって一緒に暮らせなかった母親との面会が叶ったシーンで
次郎右衛門が手をつき思いの丈を母親にぶつけると母親は「弱虫で泣き虫なお前がこんなに立派になって・・・」と言った後、
「貫一郎さまの詰め腹を切らさせたそうですね。辛ろうござりんしたね」
という言葉に次郎右衛門は「はい!辛ろうござりんした!辛ろうござりんした!うわぁぁあああ!」と泣き崩れます。
この時の内藤さんの演技にやられました。
とにかく「泣きの演技がブサイク」だったのです。
もちろん内藤さんがちゃんとした泣きの演技が出来ない訳がないのは当然ですが、
この演技に「生涯毅然として泣かなかった次郎右衛門の不器用な大泣き」を見ました。
渡辺謙版「壬生義士伝」を見る機会があったら是非このシーンの内藤さんを見てください。
下手な長文、失礼しました。
熊本県 / 男性 2020/6/30 23:39
そういえば読み間違えられやすい名前なので一応「次郎右衛門(じろうえもん)」です。
デネバヤネ
2020/6/30 23:50:14