☆ジャーナリスト、シェリーめぐみさんのコーナー「シェリーめぐみ from NY」
前回に引き続き、アマゾン火災について。若者、セレブ、そして政治にまでこの問題は広がっていき…?
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武田俊「シェリーめぐみ from NY!お話を伺うのは、ニューヨーク在住のジャーナリスト シェリーめぐみさんです。もしもしシェリーさん!」
シェリーめぐみ「武田さーん、こんばんはー!」
武田俊「今週も宜しくお願いします~」
シェリーめぐみ「よろしくお願いします。日本は台風大変でしたね」
武田俊「都内も結構風が強かったです」
シェリーめぐみ「いや~なんだがこんな大きな台風来たことないってみんな言ってますね」
武田俊「うんうん」
シェリーめぐみ「アメリカにも東海岸に先週巨大ハリケーン・ドリアンが来てたんですよ」
武田俊「はい」
シェリーめぐみ「嵐は去ったんですけど、今も連日大きく報道されていて…理由はカリブ海のバハマで、一つの島が壊滅的被害に。7万人が家を失ったんですよ」
武田俊「7万人!?」
シェリーめぐみ「凄い数ですよね。そして数百人から数千人が行方不明になっています」
武田俊「数字の大きさから恐ろしかったことを物語っていますね」
シェリーめぐみ「そうですね。
やはりこういう話を聞くと、気候変動による異常気象かと考えてしまうのですが…」
武田俊「そうですね」
シェリーめぐみ「気候変動といえば、先日もお伝えしたアマゾン火災に関する報道も続いていますが、それがちょっと意外な方向へ展開しているんです。今日はそのお話をします」
武田俊「お願いします」
シェリーめぐみ「例えば当初、アマゾンは地球の肺で酸素の20%を供給しているという報道がされたため大きな不安が広がったんですね」
武田俊「そうでしたね」
シェリーめぐみ「でも今はそれが訂正されています。
もともとアマゾンの森から発生する酸素は森の呼吸により消費されているため、外部への供給は非常に少ないと発表されました。つまり、アマゾンが無くなっても人間が吸う酸素はあるよと」
武田俊「ほうほう」
シェリーめぐみ「しかしアマゾンの森林伐採が進んでいるのは間違いなく、森林破壊で温暖化サイクルが進むことも科学的に分かってきています。
そしてそれが農業や畜産、つまり経済発展のために起こっているのも事実であると」
武田俊「そこは揺るがないってことですね」
シェリーめぐみ「そうです。そこで出てきたのは、米中の貿易摩擦がアマゾンの農地化を促進しているという報道なんです」
武田俊「どういうことですか?」
シェリーめぐみ「どういうことかというと、
中国が、これまでアメリカから買っていた大豆を、高い関税のためにブラジルからの輸入に切り替える動きが、さらなる森林の農地化に繋がっているという」
武田俊「なるほど」
シェリーめぐみ「そういう波及効果が報道されていると。
一方、企業やセレブリティの動きも伝えられています。ファストファッションのH&M、スニーカーのVansなど、ミレニアル世代・Z世代が支持するブランドは今後ブラジル産の革製品を使用しないと発表しました」
武田俊「おぉ」
シェリーめぐみ「また、レオナルド・ディカプリオがアマゾン森林保全のために5億円を寄付という話題はお伝えしたが、今度は彼が投資する若者世代に大人気のシューズブランド、オールバーズが、ウィル・スミスが手がける水ブランドJust Waterとの限定コラボシューズを作り、収益の100%を寄付すると発表しました」
武田俊「こういうセレブリティのダイナミックな運動はアメリカならではというか、素敵な話題ですね」
シェリーめぐみ「そうですね。そして前回お伝えしたように、若いZ世代の間に広がるお肉、特に牛肉を食べないようにしようという動きにも展開が。
もともとアマゾン火災の前から、彼らの間では既に環境のためにヴィーガンになる、または肉を減らすという動きが静かに広がり始めていました」
武田俊「はい」
シェリーめぐみ「その流れで、ニューヨークの公立学校の給食も、今月から毎週月曜日が《健康と地球環境のためのミートレス・マンデー》になったばかり。
今回の火災はそれをさらに刺激する動きになっただけでなく、今度は果たして肉を食べないことがアマゾンを、さらに地球環境を救えるのか否かでも大きな論議を呼んでいます」
武田俊「うんうん」
シェリーめぐみ「この論争はさらに政治にも波及。
来年の有力な大統領候補エリザベス・ウォーレンは、ここに一石を投じて話題に。
《環境のために肉を食べないとか、プラスチックのストローをやめるかどうかで論争するのは、すること自体が、もっと環境を汚している化石燃料産業の思うツボである》
と国としての環境への取り組みの強化を訴えました」
武田俊「なるほど」
シェリーめぐみ「アマゾンの火災が、2020年大統領選で《環境問題》を重要課題に押し上げるきっかけになっているのも間違いないですね」
武田俊「非常に興味深かったですね。点としてのセレブの動き、若者たちのライフスタイルなどを巻き込んでいった、どんどん点が線に、そして面になっていくような、そんな話題の広がりなんですね」
シェリーめぐみ「そうですね、全部繋がっているんですよ」
武田俊「今後の大統領選にどう影響していくのかチェックしていきたいと思います。シェリーさんありがとうございました!」
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