#18『I got rhythm 音楽が生まれる時』 概要と選曲リスト

是非これを見ながら聴いてください!


今月のテーマ:「The World of Black & Blue」(第10回:今に息づくブラック・ミュージック)
パーソナリティ:ピーター・バラカン(ブロードキャスター)


<番組のもとになった本>

絵本『リズムがみえる I see the rhythm』(サウザンブックス社)より
(文:トヨミ・アイガス、絵:ミシェル・ウッド、翻訳:金原瑞人、監修:ピーター・バラカン)

<番組のトーク・パート(概要)と選曲リスト>

― 今月は、ブラック・ミュージックの歴史を描いた絵本『リズムがみえる I See the Rhythm』を基に、ブラック・ミュージックの歴史を紐解いていきます。今回のテーマは「今に息づくブラック・ミュージック」です。

1「Egyptian Fantasy」Allen Toussaint
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 第6回「スウィング」で紹介した、クラリネット兼サックス奏者、シドニー・ベシェの名曲『エジプシャン・ファンタジー』を、ニューオリンズのピアニスト、アラン・トゥーサンが、自身のアルバム『The Bright Mississippi』の中で演奏したもの。
 アラン・トゥーサンは、リズム・アンド・ブルースの世界でずっとやってきた人ですが、この『The Bright Mississippi』は、プロデューサーのジョー・ヘンリーが、アラン・トゥーサンに、故郷ニューオリンズの昔の音楽に挑んでもらおうという企画で作ったレコードです。やや意外性がありますが、とても素晴らしい演奏です。

M2「Strange Fruit」Casandra Wilson
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 第7回「女性ジャズシンガーを讃えて」で出てきた『Strange Fruit』を、カサンドラ・ウィルソンが、自身のアルバム『New Moon Daughter』で歌ったもの。
 カサンドラ・ウィルソンは、最初は前衛的なジャズをやっていましたが、1990年代半ばに突然スタイルを変えて、他のジャズ・シンガーが取り上げないようなジャンルの歌を歌ったり、変わった楽器の編成の曲を作ったりと、ジャズ・ヴォーカルの概念をかなり変えた人です。

M3「Donna Lee」Jaco Pastrious
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 第8回「ビバップ」で登場したチャーリー・パーカーの名曲『Donna Lee』を、70年代にジャコ・パストリアスが演奏したもの。ドン・アライアスのパーカッションだけを伴奏に、フレットレスベースで演奏しています。フレットレスベースは、ジャコ・パストリアスがフェンダーベースからフレットを取り、自分で作ったものです。
 この曲は、ジャコが1975年に出したデビューアルバムの1曲目で、世界中の音楽ファンをぶっ飛ばしました。翌年にウェザー・リポートのメンバーになり、1978年に初来日しました。短い活動期間ではあったものの、素晴らしい演奏をたくさんした人です。

M4「Reflections」Steve Khan & Donald Fagen
第8回「ビバップ」で登場したセロニアス・モンクの曲を、ギタリストのスティーブ・カーンと、スティーリー・ダンのメンバー、ドナルド・フェイゲンが演奏したものです。80年代半ばに発表された、『That's The Way I Feel Now - A Tribute To Thelonious Monk』という2枚組のLPの中にある曲です。このアルバムは、ハル・ウィルナーというちょっと変わったレコード・プロデューサーが企画したもので、色々な分野のミュージシャンがセロニアス・モンクの曲を取り上げるというものです。

― ひと月にわたってお送りしてきました「The World of Black and Blue」。次回は10月になります。是非お楽しみに!