#4『I got rhythm 音楽が生まれる時』 概要と選曲リスト

是非これを見ながら聴いてください!



今月のテーマ:「The World of Black and Blue」(第4回:ジャズの誕生)
パーソナリティ:ピーター・バラカン(ブロードキャスター)


「ジャズのリズムがみえる

ニューオリンズの街に

西インド諸島からきた太鼓たたき

ラグタイムにピアノ弾き

バンジョー抱えたブルーズシンガー

スローで、悲しい葬儀の行列に

トロンボーンの音が

愉快なダンスの音楽に変わるとき

ストーリーヴィルの バルコニーからみえる」

絵本『リズムがみえる I see the rhythm』(サウザンブックス社)より
(文:トヨミ・アイガス、絵:ミシェル・ウッド、翻訳:金原瑞人、監修:ピーター・バラカン)

<番組のトーク・パート(概要)と選曲リスト>

― 今日のテーマはジャズの誕生です。ジャズが生まれたのはニューオーリンズということになっています。
第1回目で、アフリカの人々がアフリカから奴隷で渡ってきた時に、楽器を持たせてもらえなかった
という話をしましたが、その例外の土地としてニューオーリンズがありました。
フランスの人たちは、イギリス人とちょっと違って、黒人たちに過酷な環境のはけ口を与えてあげようという考え方が
あったようです。
ニューオーリンズの中にコンゴ広場というところがありますが、そこでは週1回日曜日の午後に、楽器を演奏したり、
歌を歌ったり、踊ったりすることが許されていました。またフランス人が営む農園では、過酷な労働を奴隷たちに
させていたわけですが、そんな彼らの中の比較的肌の色の薄い人たちを優遇して、彼らに楽器を持たせ、音楽教育を
施していました。そしてフランス人が好む軽めのクラシックなどを演奏させ、それをフランス人が楽しむという
環境がありました。
南北戦争が終わり、黒人たちが解放されると、彼らはニューオーリンズの街の中に移住し、そこでなんらかの形で
音楽を演奏していたのではないかと思われます。

一方、19世紀後半のアメリカでは、キューバとの戦争など多くの戦争がありました。戦争には必ずブラスバンドが
つきもので、兵士にはマーチング・バンドが伴っていました。しかしながら戦争が終わると、マーチング・バンドは
解散。そこで使われた管楽器は二束三文で売られるわけですが、音楽教育を受けた黒人のミュージシャンたちが、
質屋に流れたこれらの楽器を手にして、徐々にジャズという音楽を形作っていったのではないかと考えられています。

ジャズの最初のレコードは、1917年、オリジナル・デキシーランド・ジャズバンドという、(皮肉なことに)
白人によるジャズ・バンドによって演奏されました。ニューオーリンズでは、録音技術がまだない頃に、
バディー・ボールデンというコルネット奏者が有名でしたが、レコーディングされていないので、
その演奏がどんなものだったのか全く分かっていません。

1「I Thought I Heard Buddy Bolden Say」Jelly Roll Morton And His New Orleans Jazzmen
そのバディー・ボールデンのことに触れている曲。ジェリー・ロール・モートンが率いたバンドによる演奏です。
1930年代の録音。

2「Potato Head Blues」Louis Armstrong's Hot Seven
ニューオーリンズには録音スタジオがなく、レコードを作るにはシカゴやNYに行かなければなりませんでしたが、
彼はニューオーリンズに生まれで、1920年代初頭にシカゴに移り、キング・オリヴァーのバンドで活躍しました。
そんな彼が自身の伝説的バンド=ホット・セヴンを率いた演奏を。1927年録音。

― ニューオーリンズの初期のジャズの特徴は、即興演奏。先ほど紹介したバディ・ボールデンも画期的な即興をやっていたと言われています。ルイ・アームストロングのこのホット・セヴンは、ホット・ファイヴに2名の追加メンバー
(ベイビー・ドッズ(Ds)、ピート・ブリッグス(Tuba))を加えて結成されたグループです。

3「St. James Infirmary 」Louis Armstrong & His Savoy Ballroom Five
ルイの曲をもう1曲。こちらは彼のサヴォイ・ボールルーム・ファイヴ名義での演奏。ニューオーリンズ・ジャズの
最も有名な曲の1つです。ルイはトランペット、そして自前の声を披露しています。

― 60年代には「ハロー・ドーリー」というヒット曲があり、また(今でも世界中のラジオで聴ける)
「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」という大名曲もあるので、ルイのことを歌手として捉えている人も少なくないはずです。しかしながら、彼が1920年代後半に、のちのジャズの道程にとてつもない影響を与えるような、
画期的な音楽を作っていたことを忘れてはならないと思います。そんな才能が垣間見られる1曲を。

4「West End Blues」Louis Armstrong
彼のスキャットのようなヴォーカルも出てきますが、なんと言っても素晴らしいのは8小節くらいのイントロ部分です。彼が何も考えずに吹いた(と思われる)即興のトランペットの音色は、必聴です!

― 次回は、今月お送りした曲から派生した「今に息づくブラック・ミュージック」の特集です。お楽しみに!

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