【話題の本『文化系のためのヒップホップ入門2』の著者・大和田俊之さん に聞く、ヒップホップ最前線】
大和田俊之さん「今年のアメリカはアジア系の当たり年で、アメリカ行くなら今ですよ。」
海猫沢めろん「日本人がもてはやされるということ?(笑)」
大和田さん「そうそう。だってアジア系の男子がアメリカでモテるって今まで一度もない
のよ。2009年に流行っていた少女時代がアメリカ進出に失敗したの。めろん
が韓国のアイドルプロデューサーだったら、男性アイドルか女性アイドルの
どっちを先に仕掛ける?」
めろん「やっぱり・・・男子のほうがマッチョっていうイメージなので、女子ですかね?」
大和田さん「全員そう思ったと思うの。だけど結果的には少女時代はうまくいかなくて、BTS(防弾少年団)は成功したの。だからアジア系の男子がイケてるって話になって、理由を考えたら、“アジア系の男子はカッコいい”っていう文脈が必要なんだなと思いました。それまではアジア系の男子は“オタク気質”っていうイメージがあったから。」
大和田さん「アメリカって自殺を大っぴらに話題にできなかったんだけど、ヒップホップの若いラッパーがラップし始めて、アメリカでも弱さとか脆さが浸透しているんですよね。」
めろん「日本でも内省的なことを歌う人たちはいますよね。」
大和田さん「オーセンティックっていう意味ではRIP SLYMEが最後じゃないのかな。でも『フリースタイルダンジョン』があるか。でも若い人って『フリースタイルダンジョン』見ているからって『日本語ラップ』を見ているわけじゃないんだよね。だからそこの橋渡しがうまくできていないのかなって。」
▼『文化系のためのヒップホップ入門』
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▼『文化系のためのヒップホップ入門2』
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