本日のゲストは、先日結婚を発表されたばかり、漫画家としても、トップを走る作家の一人、鳥飼茜さん。 出版されたばかりの初のエッセイ『漫画みたいな恋ください』(筑摩書房)について、実際の恋や、私生活、漫画に対する気持ちなどかなり深くお話を伺いました。
海猫沢めろん「漫画を描くときに意識していることって何ですか?」
鳥飼茜さん「漫画を描くときだけ“女”を意識してないということですね。」
めろん「ある意味、ゾーンに入っているんじゃないんですか?」
鳥飼さん「そうなんですかね?“いい彼女”とか“いい奥さん”というのを意識していないことが多いですね。」
めろん「漫画を描いているときが一番自由ということですよね?」
鳥飼さん「それが答えです(笑)」
めろん「文章を書くときとは違いますか?」
鳥飼さん「あまり変わらないけど、読んでる人は『漫画は強気に描くけどつまづきまくっているな』って新鮮に感じるみたいですね。」
めろん「そうですか?僕はあまりなかったですね。読むと彼氏のこととかを正直に描いてあるので、もし俺が彼氏なら『怖いな!』って思ったんですよ(笑)」
鳥飼さん「でもめろんさんも物書きじゃないですか?」
めろん「わかるよ(笑)。でも、そこはぼやかして書きたいじゃん!私小説ってその人のリアルって思われがちだけど、“リアルと思えるようなフィクション”なんですよ。でもある程度強度のあるフィクションっていうのはリアルを混ぜないと出ないので、上手い匙加減でうそをつくんですよ。それができない人は全部ホントのことを描いて大変なことになるっていう(笑)」
めろん「この作品は女性にとってはかなり共感できるものだと思います。女の人は男の人が求めることを先読みできてしまうから、それに対応して後になってむかついてくるという(笑)」
鳥飼さん「なんで、そこまでわかっててさせるんですかね?」
めろん「男側から言うと、楽だから!(笑)」
鳥飼さん「あはははは(笑)」
めろん「女の人ってストレスが溜まっていくじゃないですか?」
鳥飼さん「言わないからね~」
めろん「あとから『あの時・・・!』っていうのが出てくるんだけど、男はもう忘れてるんですよね。『え?いつ?その時言ってよ。』みたいなね。そういうのが赤裸々に描かれていますね。」
めろん「心の変化ってありましたか?」
鳥飼さん「一周回って同じになりました。」
めろん「そんな簡単には変わらないよね・・・。旦那さんの変化は?」
鳥飼さん「ちょっと優しくなりましたね(笑)」
めろん「育児本って女性が多く書かれますけど、旦那さんは読んだほうがいいと思うんですよね。旦那さんが読んだほうが新しい発見があると思うんですよ。」
今後の出版予定:
10月12日ごろ 『前略、前進の君』
11月15日 『ロマンス暴風域』2巻
11月30日 『マンダリン・ジプシーキャットの籠城』上下巻