第154回
ゲストは、女優の尾野真千子さんです。
尾野さんは、奈良県西吉野村で生まれ、
4人姉妹の末っ子として育ちました。
尾野「”尾野真千子”って良い名前だなって思って
そのままやってたんですけど、あまりに売れなかった時は
芸名作りたいって言ったこともあります(笑)」
杏子「え〜そうなの!? というか、4人姉妹ですごいですね」
尾野「3女と私は、喧嘩ばっかりしてて殴り合いでしたよ、
掃除機 VS 釜!みたいな (笑)
でも、今では、毎回何かをする時は4人で集まりますね。
私は、”マッチ”って呼ばれてます。」
杏子「私は兄だけだから、”お兄ちゃん”としか言わなくて、
名前で呼び合ってるの、すごい羨ましい。」
尾野「すごい大変ですよ! お姉ちゃん達の呼び名は、
カーン、チャーちゃん、マーちゃんで、
呼ぼうとすると、もつれて大変(笑)」
尾野さんが、女優デビューを果たした映画『萌の朱雀』。
この作品では、“その土地で生まれ育った子に主演を”
と河瀬直美監督の強い意向がありました。
尾野「監督はロケハンと、ヒロインを探しに来てたんですけど
山の中でみんな住んでるから、繁華街もないし、
子供が集まる場所が学校しかないから、
学校にきて、子供を見ていたら、私が靴箱の掃除をしてたと。」
杏子「有名な話だけど、本当に、”何してるの?”って監督聞いたの?」
尾野「本当ですね、”何してんの?”って聞かれて、
見たらわかるやろ!って思いましたけど(笑)
でも、監督はたぶん、あまりに細かく綺麗に掃除してるから
“何してんの?”って思って言ったんでしょうね。」
杏子「それで、いきなり主演!」
尾野「最初、主演ということも知らず、
初号で ”あんた主役やで” って言われたんです。
当時は、映画がどう作られるかもわからないし、何も知らない子で。
台本も理解できないし、よく読めないから、撮影の途中で
台本読まないで良いって言われて!
現場ごとに “真千子は、次これ言って” って(笑)」
才能を見抜いた河瀬直美監督は、
ほぼドキュメンタリーのような撮影を行い、
カンヌ映画祭の新人監督賞を受賞しました。
尾野「わたし、カンヌも知らなくて、ヘーみたいな(笑)」
杏子「でもそこから、上京して女優になろうって
大きな決心ですよね?」
尾野「そうですよね〜…私夢がなくて、何をしたいとか無くって。
でも、芝居をしてたら、スタッフさんがたくさん居て、
”この仕事なら多くの人に出会える” と思ったし、
“この人たちが大好きだから、一緒に仕事したい”って思ったんです。」
女優として活動するため、上京することに対し、
最初は映画出演にも反対していた家族も、
上京資金を必死にバイトして貯めている尾野さんの姿に
何も言わなくなっていったそう。
尾野「私、バイトいっぱいしましたね。」
杏子「仕送りなかったんでしょ?」
尾野「上京して2年で、芽が出ないなら奈良に帰ってこい
って言われてたので、必死に貯めた貯金くずしたり、
バイトしてましたね〜(笑)」
M1. ミスターカイト / スキマスイッチ
M2. 家族のテーマ / 茂野雅道
M3. Rhiannon / Fleetwood Mac