大ヒットおもちゃ「∞プチプチ」の初期段階の名前は・・・!?

(前編) スキマなゲストに株式会社「ウサギ」代表取締役の高橋晋平さんをお迎えしました。高橋さんがこれまで企画されたおもちゃについていろいろとお話を伺いました。 (2017年5月9日、5月16日OA分)



高橋さんは、以前おもちゃメーカーの「バンダイ」に勤められていて、大ヒット商品となった「∞(むげん)プチプチ」を開発された方なんです!
2014年にバンダイを退社され、株式会社「ウサギ」を設立されました。

◆「∞プチプチ」はどうやって企画を思いついたんですか?

当時は、ボードゲーム担当だったのですが、NINTENDO DSがちょうど流行っていて、ボードゲームが全く売れない時期だったんです。
そんな時に、フロアにたくさんの梱包材(ぷちぷち)がたくさんあり、つぶがだんだんボタンに見えてきたんです。

五郎さん「大分追いつめられていたんだね・・・。」
しょこたん「疲れていたのかなぁ。」

高橋さん「なんか、おもちゃないかな~って探していて、これはボタンで作れる事に気づいて、企画を翌日に出しました。」

◆商品化されるのはアイディアの何割ですか?

私は、始めてから10年で5000個のアイディアを出して、企画書にしたのは500個でそのうち商品化されたのは50個で、ヒットしたのは5個でした。
「∞プチプチ」は、最初「プチプチキーホルダー」って言っていたんですが、これでは企画書が通らないと思い、考え直しました。
これはつぶしてもなくならないのが面白いのと無限だという事に気づいたので、「∞プチプチ」と名付けました。ネーミングは本当に大事ですね。
「プチプチキーホルダー」は絶対に売れないと思いました。

五郎さん「絶対にダメですね。今、聞いてもダメですもんね。(笑)」

◆新しいおもちゃを考えるときは何を意識していますか?

自分がやりたいか、買いたいかは当たり前で、家族がプレゼンをした時に喜ぶかを意識しています。特におもちゃは子供向けなので大人だと感覚が分からないので、甥っこが小学生なのでその甥っ子に渡した時の姿を想像し、喜んでくれそうだったらOKと思うようにしています。

◆思っていた以上にウケタパターンはありますか?

ありますが、自分が確信をもっていないと最後まで完成できないですね。
友だちの反応も大事で、おもちゃを見た瞬間に面白くて食いついてくれるか、それとも気を遣っているのかがほぼ分かります。

しょこたん「一人じゃできない仕事ですね。」

高橋さん「できませんね。絶対にできません。クリエイターって色んな形があって、一人で作るタイプの人もいるかもしれませんが、それはアートに近いと思います。
やはり商品を作って売る物に関しては、やはり反応と速度を重視しています。
ヒットするかどうかは相手の反応で分かります。」

◆アイディアを出す時の日課はありますか?

まずは、情報収集をします。
今は、スマホがあって便利だけど、ネットでバズっている事を探すのが一つですが、売り場へ実際に行ってこういう変な商品が出ているんだというのを見るのも大事です。
一つ見つけたらネタ帳にメモをしていきます。
世の中で流行っているものを追うと似たものしか思いつかないので、ランダムに考える事もやっています。
自己流しりとりを使っておもちゃを考えています。

しょこたん「なんですかそれ?」

アイディアしりとりと自分で提唱しているんですが、人にも是非おすすめしたい発想です。
自分で一人しりとりをして、20個くらい自分が出した言葉を見て連想できるおもちゃを無理やり作り出すんです。そうする事により流行を追いかけずに自分だけのアイディアを出すことが出来ます。一回に20~30個の言葉を出します。
ここで、五郎さんとしょこたんにもチャレンジしてもらいました。
このしりとりは、最後に「ん」が付いても大丈夫だという事でした。
何から始めても良いですし、無心でやることが大事だそうです。

スタジオ内ですごく盛り上がってしりとりにチャレンジした二人でした。

最終的にしょこたんが出した言葉に皆で大盛り上がりでした。

しょこたんワード「シャワー、わんこそば、ばばあ、ありじごく・・・」

しょこたん曰く「ばばあ」関係のものって当たりやすいという事で、かみつきばばあ、ラーメンばばあとかはどうかと高橋さんに聞いていました。

しょこたんが、わんこそば食べているばばあと言った後に、ドリルばばあと言ったら、五郎さんがどはまり!

五郎さん「ドリルばばあ!!!こえ~。」
高橋さん「いいですね。今の方法は一個の言葉にランダムで出てきた言葉を掛け合わせるやり方で、これは検索しても出てこない完全なオリジナルアイディアになります。
ドリルばばあは絶対に誰も思いつかないです!」

五郎さん「ドリルばばあ、欲しいよ。」
しょこたん「なんで?私が言ったけどよくわからんない。(笑)」

◆こういうアイディアが出て、翌日よく考えて「あれ?」ってなりませんか?

大抵あれ?ってなります。

◆会議で盛り上がって良いと思ったのに、翌日起きて、ん?ってなったらどうしますか?

この問題は大体そうなるんです。
そうならなかったものは原石なんです!
宝を見つけた状態です。
僕も5000個アイディアを出して、5個ヒットを出した10年間のデータがあるので、1000個出せば、1個は当たるという確信はしているので、これからもずっとやっていきます。
皆で1000個出せば一つは当たるんです。
ダメだったものが数年たってヒットする事もあります。
タイミングも大事です。

しょこたん「温存しておくんですね。」

(後編へつづく)