甲賀忍者が信仰し結束を固めた場所、甲賀市の「油日神社」

放送後記

日本遺産。
その裏には数々の歴史的なドラマ・魅力的なストーリーが隠されています。
JAPAN HERITAGE~ラジオ日本遺産~。

今回は「忍者の里 伊賀・甲賀~リアル忍者を求めて~」と題した日本遺産の中から、滋賀県甲賀市の「油日神社」をご紹介しました。

今年の4月に認定されたばかり!!の三重県・滋賀県の忍者にまつわる日本遺産たち。
映画やテレビ、アニメや小説などを通じて、世界中の 数多くの人々を魅了しているNINJAにまつわる初めての日本遺産、ということで大きな注目を集めています。

伊賀流・甲賀琉として有名な忍者、その実像は「伊賀衆」「甲賀衆」と呼ばれた「地侍」だったと言われています。
伊賀と甲賀はライバル同士のイメージがありますが、
実際には互いに同盟しあって、とても仲が良かったそうです。
「みんなで集まり、話し合いで決める」こと、これが忍者の里の「掟」。
力を合わせ里の平和を守ってきた姿は、忍者の殺伐とした印象とは大きく異なりますね。

そんな甲賀忍者が信仰し、結束を固めた場所でもあったのが油日神社です。


JR油日駅から東に徒歩でおよそ30分、
油日岳をご神体としているこの神社の歴史はとても古く、
聖徳太子が油日大明神を祀った(まつった)のが始まりとされており、「甲賀の総社」としても うやまわれていると同時に「油の神様」として全国の油業者の信仰も集めています。

聖徳太子は、なんと日本最古の忍者の主でもあったと伝えられており、甲賀衆は軍神として崇め、聖徳太子にまつわる文化財が現在も残されています。
美しくもどこか武骨な雰囲気のある門をくぐると、
中央には、拝殿、本殿、そして本殿を取り囲むように廻廊が並んでいます。
いずれも重要文化財として指定されている、室町時代の建築物です。



特に注目していただきたいのは、甲賀衆の寄合の場として使われていた廻廊。


ここまできれいに現存しているのは世界的にも珍しく、
日本だけでなく、アジアの映画やドラマのロケにも使用されています。

この場所に立って、里の平和を守るために話し合い、決意の固めた忍者たちの姿を思い描いてみてください。

ぜひ、あなたも日本遺産へ。新たな日本の魅力を再発見してくださいね。