地球に1万個以上の小惑星が接近・衝突の可能性とは?

中西哲生と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス」。 5月18日(木)放送の「WAKE UP NEWS」のコーナーでは、日本スペースガード協会・副理事長の浅見敦夫さんに小惑星の地球衝突について話を伺いました。

5月15日から19日にかけて、東京にある日本科学未来館では今年で5回目となる「プラネタリー・ディフェンス・コンフェレンス」という国際会議が開催されています。そこでは国際機関や専門の研究者が集まり、天体の地球衝突についてさまざまな議論が行なわれているのですが、浅見さんもその会議に参加しています。

宇宙には小惑星がたくさんあり、現在軌道がわかっているものだけでも72〜73万個。この他にも見つかっていないものはまだまだたくさんあると考えられているそうですが、現状把握している小惑星のうち1万6千個は地球に接近するタイプのものだとか。
そんな小惑星の地球衝突については、それこそ太古の昔、恐竜が絶滅した原因が隕石の衝突と言われている話を中西が挙げると、「その通りですね。今から6500万年くらい前に直径10km程度の小惑星が地球に衝突したために恐竜が絶滅した。その一因だと考えられています」と浅見さん。

しかし、それほど遠い昔の話だけでなく、2013年にはロシアのチェリャビンスクに小惑星は衝突しています。この話は「プラネタリー・ディフェンス・コンフェレンス」でも話題にあがったそうですが、浅見さんの話によるとそのときの小惑星の大きさは20mぐらいで、重さはおよそ1万トンを超えていたとか。

今回の会議ではそんな万が一の際に備え、小惑星発見のための技術についてや実際に地球に接近したときのこと。衝突するようであればその軌道を逸らしたり、破壊するときのことなどが専門的な立場から検討されているそうですが、その中で中西が気になったのは小惑星の軌道修正について。
それはどのようにして行われるかと言えば、「(衝突までの)時間と(小惑星の)大きさにもよるんですが……」と前置きしつつ、「たとえば、衝突までの時間が10年、20年とあれば、宇宙探査器を送り込み射出などをあてたり、ぶつける。場合によっては核爆発のようなものを行うことで、少しずつ小惑星の軌道に加速度を与えることができるんです。時間があれば、十分に地球の半径以上逸らすことは可能だと思っています」と浅見さんは話していました。