「君の名は。」のヒットメイカーが語る「優柔不断は素晴らしい」

速水健朗と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス・フライデー」。4月21日(金)の放送では「今すぐ職場で役立つ、10のこと」と題し、日本や世界で話題の人や現象から“自分のこと”として置き換えられる≪元気の素≫を紹介しました。 今回は興行収入250億円に迫る大ヒット映画「君の名は。」の企画、プロデュースをはじめ、数々の人気作を手掛ける当代随一のヒットメイカー、川村元気さんにヒットを生み出す力となっている言葉を伺いました。

その言葉とは“優柔不断は素晴らしい”

“優柔不断”と言うと、物事を決められないマイナスなイメージがあります。さらには、プロデューサーは何かと決断力が求められそうなものですが、川村さんの真意とは……。

「僕は早く決めるっていうのは、その後に出てくる無数の選択肢を捨てているようにしか思えないんですよ」と言います。

そして、「早く決めると一瞬かっこよく思えるんですけど、その後ギリギリまで待ったときに、もうちょっといい選択肢が出るかもしれない。その芽を摘んでいるって感じちゃうんですよね」とも。

とはいえ、ただ待っているだけではなく、よく考えた上で決めないのが川村流。しかし、数多くの変更や修正を重ねながら、ときに最初に戻ることもあるそうで、そこで戻る勇気も必要だと川村さん。最初のものがいいかどうか確認するために、世界一周する必要があることもあるそうです。

「将棋とかを見ていても、強い人ってギリギリまで時間を使いますよね」と言う川村さんは、三国志の時代を例に「優柔不断は智将の証というか、一番強い人は一番決めない人なんですよ。それは歴史が証明しているんです」と持論を展開。逆に、いつから即断即決が偉いという風潮になったのか不思議だそうです。

世間では優柔不断で悩んでいる方もたくさんいると思いますが、あらゆる選択肢の中で悩み、考えるとともに“待つ”というのもひとつの戦略です。ぜひ、ビジネスの中で試してみてください。

ちなみに、最後の最後まで決断しない川村さんですが、レストランなどで食事をする際は即断即決するそうです。なぜかと言えば、たとえ昼食で失敗したとしても、夜に取り返せばいいから。それもまた真理かもしれませんね。