【日露首脳会談】北朝鮮をめぐる日本とロシアの立場の違い

速水健朗と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス・フライデー」。4月28日(金)の放送では日露首脳会談の成果について、キヤノングローバル戦略研究所主幹の宮家邦彦さんに話を伺いました。

安倍総理は27日夜、モスクワでプーチン大統領と会談。大統領との会談は去年12月以来で、第一次安倍内閣時代を含めると、今回で12回目の日露首脳会談となります。

その成果について、宮家さんは「1回でドンと成果が出るものではないので、10回以上やって少しずつ進めていくしかないです。長丁場の中のひとつのラウンドが終わったというところです」とコメント。

会談では、北方領土での共同経済活動実現を目指し、日本が現地調査団を派遣することで同意しています。
領土問題の解決について、宮家さんは「ロシア側は(北方領土を)まだ占拠しています。最終的に平和条約と領土問題を解決しなければ物事は進みませんから、彼らはおそらく最後の段階でそれを出してこようとするのでしょう。それまでの間は我慢比べになると思います」と話していました。

また、宮家さんは北朝鮮をめぐる日露の立場について、「(日本の)北朝鮮の問題は一貫しています。日本は北朝鮮の核を認められないし、これは韓国もアメリカも同じです。暴発して大混乱になるのではなく、彼らが自発的に核兵器開発を断念するというのが基本なので、日本の立場ははっきりしています。一方のロシアは中国ほど北朝鮮に対して影響力があるわけではないですが、極東の地域でロシアの存在感を見せたいところ。ロシアとしては、自国が協議にかかわることなく物事が動くのは嫌でしょうね」との違いを指摘しました。