尾道水道と尾道三山の間の非常に限られた空間に、坂道と路地、井戸が街に縦横にひろがっていく「坂道と路地の景観」

放送後記

日本遺産。
その裏には数々の歴史的なドラマ・魅力的なストーリーが隠されています。
JAPAN HERITAGE~ラジオ日本遺産~。
今回は広島県 尾道市の『坂道と路地の景観』をご紹介しました。



坂道と路地の景観??それが日本遺産?
と、ちょっと不思議な気もするかもしれませんが、そう。
“坂道と路地の景観”が、日本遺産の構成文化財になっています。

中世の開港以来、人とモノと財が集まる港町として栄えた尾道。
多くの商人で街が賑わうようになると、尾道水道と尾道三山の間の非常に限られた空間に、寺社や家々がひしめき合うように建てられていきます。
そして、それらを繋ぐ坂道と路地、井戸が街に縦横にひろがっていくのです。

その景色は、大林信彦監督作品“転校生”、“時をかける少女”、“さびしんぼう”など尾道を舞台にした映画でもよく知られていますよね。

足の向くまま、気の向くままに坂道を上り、路地をめぐる。
まるで迷路のような路地からふと抜けると、美しい尾道水道の景色が飛び込む。寺院の大きな屋根や庭園をもつ住宅が突然現れる。

迷えば迷うほどに、見つかるものがあります。



中でもオススメなのが、千光寺新道の坂の上から 尾道水道をのぞむ景観。
観光パンフレットやCMなどでもお馴染みの絶景です。
文人:志賀直哉が過ごした家もこの付近にあり、今でも当時のままに保存されています。



暗夜行路に描いたのは、この風景、だったんですね。

その他、猫好きの方には猫の細道もオススメ。
地元のアーティスト:園山春二さんによって名付けられた細道。
道端や石垣の上などには、園山さんが制作した“福石猫”があちこちに。丸い石に描かれた、ひとつひとつ違う猫の表情にとっても癒されます。飼い猫や野良猫もたくさん。
尾道は猫が多いことでも有名、なんですね。

ゴールデンウィークには、“猫祭り”なるイベントも開催されるとか?ぜひ、あなたも日本遺産へ。新たな日本の魅力を再発見してくださいね。