“ナンバー2の鑑”ペンス米副大統領から学ぶ上司への対応術

中西哲生と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス」では、「今すぐ職場で役立つ、10のこと」と題して、日本や世界で話題の人や現象から“自分のこと”として置き換えられる≪元気の素≫を5日間にわたり紹介しています。 4月18日(火)の放送では、マイク・ペンス米副大統領をクローズアップ。アメリカ外交に詳しい同志社大学教授の村田晃嗣さんに、ナンバー2としての立ち回り方について話を伺いました。

ビジネスには長けているものの行政経験がないトランプ米大統領ですが、一方のペンス米副大統領はというと、インディアナ州知事を務めるなど行政経験も豊富な上に、共和党の主流派とのパイプもあることから、「(トランプ米大統領は)副大統領の手腕をかなり頼りにしているのでは」と村田さん。

さらに「副大統領がどのくらい役割を果たせるかは、大統領次第。どれだけ副大統領に仕事を任せて権限を委ねるかによって、その成果は大きく変わります」と話します。

現在、良好と言われている安倍首相とトランプ米大統領の関係。しかしながら、トランプ米大統領の言動は物議を醸すこともしばしばで、この先どういう方向に動くか分からないのに対し、ペンス米副大統領は云わば政治のプロ。

村田さん曰く「副大統領のリアクションは(日本政府にとって)ある程度想定できる安心感がある」と話し、「彼はインディアナ州知事をつとめていたときに日本企業の受け入れをするなど、日本に対する理解やパイプも深く、日米の経済関係の重要性を深く理解している」とその理由を語りました。

4月18日、ペンス米副大統領は麻生太郎副総理兼財務相と日米経済対話の初会合を行ったばかりですが、ナンバー2としての立ち回り方はビジネスシーンに置き換えても参考にしたいポイントがあるのではないでしょうか。

あくまで目立つべきは、トップである大統領。村田さんは「目立ち過ぎないことが大事。しかし陰でしっかりと(トップを)支える、サポートするだけの実務能力がどれだけあるかが重要なのではないでしょうか」と持論を展開。

トランプ政権では、大統領の発言に対し他の閣僚たちが否定するシーンも多々見られますが、村田さんは「(ナンバー2として)大統領の発言を軌道修正する役回りもします。そのときに大統領のメンツを傷つけない形で軌道修正することが大事」と語り、ビジネスシーンにおける上司の言動へのベストな対応についても、ペンス米副大統領の立ち回りから学ぶべき点が多いと解説していました。