「南阿蘇の魅力を伝えたい」地震で学んだ“人の想いの大切さ”

中西哲生と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス」では、被災された方の心と体のケアを目指して行われている日々の支援活動を紹介するコーナー「LOVE&HOPE~ヒューマン・ケア・プロジェクト~」を放送中。 4月19日(水)の放送では南阿蘇村のごはん処「まるでん」オーナーの増田一正さんが被災を経て知った自然を維持し魅力を伝えることの大切さについて話しました。

増田さんのお店は昨年の熊本地震により全壊。一度は阿蘇を離れることも視野に入れましたが、アウトドアガイドの仲間の支援で、地元の小学校で木登り体験を行ったことをきっかけに、「もう一度この地で暮らそう、阿蘇で頑張ろう」とその想いを奮い立たせたそうです。

「2年前に同世代の若いガイドを10人ぐらい集めて『一緒に頑張ろうや』って、『アウトドアクラブ南阿蘇knot』というアウトドアガイドのチームを作ったんです。例えば阿蘇五岳の中で烏帽子岳(えぼしだけ)って山があるんですが、私たちメンバーの中にガイドしながらペンションをしている子がいて、夜ご飯の後に(お客さんを)烏帽子岳に連れていって星空や月を見てもらったり。『うまくひとつの観光の面白みを伝えられる事業になりつつあるな』、『4月に入ったらもう少し広めるために進めていこうかね』と話していた矢先の地震だったんです」という増田さん。

地震から1年が経過した現在、南外輪山の大矢岳でナイトハイクを再開したという増田さんは「今まで通りお客さんが来てくれるかわからないんですけど、きっと来てくれると思います」とコメント。

増田さんは自然を維持し、その魅力を伝えるには人の想いが不可欠だと考えているそうで、「どんなにすごくいい自然、森、木、谷、水があったとしても、そこに携わる人の想いがなければその自然も壊されてしまうし、魅力も伝わらないと思うんです。このカルデラもそうした色んな先代の方たちの思いがつまった場所だと思います。例えば野焼きによって草原が維持される。それがずっとこの地域に代々伝わってきていると、地震があったからその大事さが分かったんだと思います」と話していました。