40年ぶりの重力値改定で体重が0.006g減!?

速水健朗と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス・フライデー」。 3月17日(金)放送の「BREAKFAST NEWS」のコーナーでは、このたび40年ぶりに改定された“重力値”について、国土地理院・物理測地課長の矢萩智裕さんに話を伺いました。

速水も高橋もちんぷんかんぷんな重力値。それは何かと言えば、重力の大きさのこと。
そもそも重力とは地球に引っ張られる力=引力と、地球の自転で振り回される遠心力を足したものになります。しかし、遠心力は場所によって違い、北極や南極はゼロ。緯度が低いほど大きくなり、重力は緯度が低いほど小さくなります。

そのため国内でも場所によって違いがあり、北海道と沖縄で比べると、北海道は重力が0.1%大きくなるそうです。「0.1%と言ってもわかりにくいと思うので例を挙げると、沖縄で1kgの金をそのまま北海道に持っていくと1g重くなります」と矢萩さんが説明してくれましたが、そうなるといろいろと問題が出てくるのではと勘ぐる速水。

しかし、それで何か問題があっても困るので、実際には1kgの金であれば日本どこでも1kgとして重さが計れるように、重力値を使ってはかりが作られているそうです。

本題の重力値ですが、今回国土地理院は国内の約260カ所でどのぐらいの重力が働いているのかを示したものを40年ぶりに改定しました。矢萩さん曰く、以前に比べて測定の精度が向上し、全国的には重力値が小さくなった場所が増えたそうですが、最も変化があったのが新潟県の佐渡市。60kgの人の体重が0.006g、ヤブ蚊数匹分程度軽くなるぐらいの変化があったそうです。

そうは聞いたものの、重力値の改定が日々の暮らしにどんな影響があるのか、速水が矢萩さんに尋ねてみると、「はかりだけでなく、正確な標高を決定したり、地下にある活断層を調べる際など、重力値はさまざまな分野で利用されています」と矢萩さんは答えてくれました。
さらには、「今回は高精度な重力値を整備したので、国内の計量の基準や重力を計るときの信頼性が大きく向上するのではと期待しています」とのことでした。