JAPAN HERITAGE ~ラジオ 日本遺産~ 瑞巌寺

放送後記



ラジオ日本遺産。今回は「政宗が育んだ”伊達”な文化」と題された宮城県の日本遺産の中から:瑞巌寺をご紹介しました。

仙台藩を築いた伊達政宗。戦国武将としての人気も非常に高いですが、実は、東北に古来から根付いていた伝統文化を再生させた偉大な文化人であったことは、意外と知られていないかもしれません。

政宗の国づくりにかけた意志と、壮大な夢を感じられる場所が、宮城県南東部に位置する日本三景のひとつ、松島にあります。
国宝・瑞巌寺です。

松島は当時から人々の心の拠り所。不思議な力が宿る場所でした。伊達政宗は国づくりを始めるにあたり、奥州藤原氏が築いた平泉の繁栄の再現と「奥州の平和」のため、衰退してしまっていた松島円福寺の復興に力を注ぎました。

日本各地から130人もの一流の大工を呼び寄せ、4年の歳月をかけ、再生。名前を瑞巌寺へと改名しました。


政宗の意向をふんだんに取り入れて作られたといわれる瑞巌寺。多くの手の込んだ彫刻や きらびやかな装飾で彩られています。


お寺の中は、金色に輝く豪華絢爛なふすま絵で囲まれ、実に雅。政宗のおもてなしの精神を感じることができます。

また、松島海岸に浮かぶ小さな島には、伊達政宗が瑞巌寺の復興に先だって再建した東北最古の桃山建築があります。瑞巌寺五大堂です。


海の上にかけられた「すかし橋」と呼ばれる赤く短い橋を渡った先に、五大堂はひっそりと佇んでいます。



荘厳な歴史を感じさせるその建物は、松島のシンボルともされています。

五大堂から見える、海に浮かぶ島々の美しさは絶景の一言。東日本大震災による大津波にも負けず、今もそこで松島を見守っています。



時代を超えてもなお見るものを引き付けてやまない、政宗公の文化が息づく美しい景観をご覧になってみてはいかがでしょうか。

ぜひ、あなたも日本遺産へ。新たな日本の魅力を再発見してくださいね。