JAPAN HERITAGE ~ラジオ 日本遺産~ 沖島の魚料理

放送後記


今回は、“琵琶湖とその-祈りと暮らしの”と題された滋賀県の日本遺産の中から「琵琶湖に浮かぶ島 沖島の魚料理」をご紹介しました。

琵琶湖のなかに、人が住む小さな島があるのをご存知ですか?
琵琶湖の沖合から約1.5㎞に浮かぶ沖島は、日本で唯一の「淡水湖に浮かぶ有人島」。
湖の中の島に人が住む例は世界的にも少なく、海外からも注目されています。



島の住民はおよそ300人。ほとんどの人が漁業を営み、その暮らしは琵琶湖と強く結び付いています。



漁場としての歴史は古く、かつて織田信長に専用漁場として、認められた逸話が残るほど。伝統のエリ漁で水揚げされた鮎や鮒、 固有種の高級魚ホンモロコなどが、滋賀の人々の食卓を潤してきました。

一番の漁獲量を誇るのは、鮎。なかでも冬だけにとれる特産品が、鮎の稚魚「氷魚」です。
体が氷のように透き通っているので「氷魚」と呼ばれます。氷魚の釜揚げは、琵琶湖の冬の味覚として愛される逸品です。

伝統的な名物料理として一番有名なのは、日本三大珍味の一つと言われる「鮒ずし」。ニゴロブナを材料に漬けられます。
地元の漁師さんいわく、沖島の家庭料理の定番で、どの家庭でも漬けられているとのこと。


 
チーズに似た香りと酸味が特徴ですが、沖島の鮒ずしは、生臭くなく、食べやすくて美味しいと評判です。

ホンモロコは、冬が旬。腹に子を持ち、身が引き締まって骨も柔らかくなります。
正月料理には欠かせない存在ですが、今では京都の一流料亭で出される程の高級品に。

他にも、ビワマスの刺身やうなぎや鯉などを使ったすき焼き…など、琵琶湖に伝わる伝統の味は、まだまだあります。
豊かな水の恵みを味わう美食の旅へ、出かけませんか?

ぜひ、あなたも日本遺産へ。新たな日本の魅力を再発見してくださいね。