今回は、“琵琶湖とその-祈りと暮らしの”と題された滋賀県の日本遺産の中から「三井寺」をご紹介しました。
かつて身を清めるみそぎの場でもあったため、周辺には神社仏閣が点在する琵琶湖。
なかでも有名なのが、天台寺門宗の総本山で知られる三井寺。
琵琶湖南西の長等山に広大な敷地を持つ歴史あるお寺です。
境内に天智・天武・持統 3代の天皇の産湯に用いられたという霊泉の井戸がある事から、
「御井(みい)の寺」と呼ばれ、のちに「三井寺」となりました。
この霊泉は「閼伽井(あかい)」と呼ばれ、
閼伽井を守り覆う建物「閼伽井屋(あかいや)」が
国宝の金堂(こんどう)の隣に厳かに佇んでいます。
また三井寺は焼き討ちにあったり、豊臣秀吉に領地を没収されたりと何度も苦難を乗り越え、再興したことから「不死鳥の寺」とも呼ばれています。
金堂を始め、観音堂、釈迦堂、光浄院など多くの堂舎が建ち並ぶ境内は、
まるで時代劇の舞台にタイムスリップしたかのよう。
実際、大河ドラマ「平清盛(たいらのきよもり)」や「鬼平犯科帳(おにへいはんかちょう)」をはじめ、数々の映像作品のロケ地に選ばれています。
見どころは沢山ありますが、ぜひご覧いただきたいのは、
近江八景の一つである「三井の晩鐘」
荘重な調べを奏でる鐘の音色は、日本三銘鐘にも数えられています。
平成8年には「残したい日本の音風景百選」に選ばれました。
1回300円で撞く事も出来ますので、ぜひ体験してみてください。
大みそかには除夜の鐘として、この三井の晩鐘が撞(つ)かれます。
108回とは限らず、撞けば撞くほど福があるとされ、出来るだけ多くの人に除夜の鐘を撞いてもらっているようです。
今年の大みそかは、深い安らぎのある鐘の音色を聞きながら三井寺で新年を迎えるのもいいかもしれませんね。
ぜひ、あなたも日本遺産へ。新たな日本の魅力を再発見してくださいね。