JAPAN HERITAGE ~ラジオ 日本遺産~ 針江 生水の郷

放送後記

今回は、“琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産”
と題された滋賀県の日本遺産の中から:針江 生水の郷をご紹介しました。


琵琶湖北西部の湖岸に位置する滋賀県高島市の針江地区。
ここでは、安曇川の伏流水と比良山系からの地下水を起源とする湧水が、集落の各所から湧き出ています。



この澄んだ湧水は「生水(しょうず)」と呼ばれ、生水が豊かに湧き出す町・針江はいつの頃からか「生水の郷」と呼ばれるようになりました。



生水の水温は、年中12~14℃。夏はキンキンに冷たい水に、冬はあたたかさを感じる水となります。
「カバタ(川端)」と呼ばれる澄んだ水が湧き出す場所で、 
人々は野菜を洗ったり、果物を冷やしたり…針江の人々の生活を古くから、そして今現在でも潤し続けています。
台所で鯉を飼っている家もあるんですよ!?



現在針江に残るカバタは、107か所。カバタから湧き出す水の量は、 なんと一日でタンクローリー200台分! これは一日に2万人の人が生活できる水の量です。

針江の生水は、針江大川に集まって、やがて琵琶湖に流れ込みます。水の綺麗な針江の田んぼには、琵琶湖からコイやフナなどが産卵にやってきます。
針江から琵琶湖へ、琵琶湖から針江へ…
この水の流れが、人と水・生き物が共存する豊かな針江の暮らしを作り出し、ひいては様々な生き物が育つ琵琶湖の環境を守っているのです。

まちの中心には大きな水車、川でゆったりと泳ぐコイ、トクトクと湧き出る生水(しょうず)の音…



生水の郷・針江には、懐かしい日本の原風景が今も残っています。
澄んだ湧水が暮らしを潤すこのまちで、あなたも心を潤してみませんか?



ぜひ、あなたも日本遺産へ。新たな日本の魅力を再発見してくださいね。