JAPAN HERITAGE ~ラジオ 日本遺産~ 近江八幡の水郷

放送後記



今回は、“琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産”と題された滋賀県の日本遺産の中から、近江八幡の水郷をご紹介しました。



近江八幡は、中世から近代にかけて、日本全国を商いして回った近江商人発祥の地。
八幡山のふもとに開けた街には、現在でも、格子戸や白壁の土蔵など、古い町並みが色濃く残り、当時の雰囲気を今に残しています。



映画や、テレビ時代劇の撮影場所としても有名なお堀“八幡堀”に佇むと、一気に江戸時代にタイムスリップしたかのようです。

さて、そんな近江八幡の日本遺産が
【水郷】。

ラムサール条約に登録された湿地:西の湖と琵琶湖を繋ぐ水路は、古くから漁業・農業で地元の人々に活用され、整備されることで、複雑に入り組んだ形となっています。

国の重要文化的景観・第1号にも認定されたこの場所。

水鳥たち、また、フナやウナギなどの生き物。昆虫たち。
そこに、“よしず”などに使われる“ヨシ”の畑、水田などが水路両脇を覆い、ありのままの自然と、人間が作り上げたものが入り混じった、独特の景観が広がります。



“水郷めぐり”は、その水路を、田船(たぶね)という船に乗ってめぐるもの。
かつて、農家で実際に使用されていたこの船は、農道が整備されることで不要となりましたが、現在は、この“水郷めぐり”の観光船として再利用。



“水郷のさと まるやま”では、定期船は4月から11月まで、
貸切船は年中無休で、水郷めぐりが楽しめます。
ヨシを収穫し、その後ヨシ焼きで、一面のヨシを燃やす冬。
まだまだヨシが短く周辺の環境がじっくり観察できる春。
ヨシが4メートルにも伸びて濃い緑に囲まれる夏。
そして、ヨシに穂が出て、風にたなびく姿が実に日本的な秋。

聴こえるのは鳥の声と、水の音だけ。
まるで時がとまったような空間に、心は深く癒されます。

ちなみに、予約が必要ですが、船の上で、こちらも名物の“近江牛(おうみうし)”のすき焼きも楽しめるとか・・・。
いいなぁ・・・。
 
ぜひ、あなたも日本遺産へ。新たな日本の魅力を再発見してくださいね。