蒲田健の放送後記

番組MCの蒲田健による放送後記 今回は伊集院静 さん。

身近な人との別離。理不尽であればあるほど
それを不運と思いたくなるであろう。
しかし去った後哀しみの淵に長く佇むことがあれば
何のための出会いだったかわからなくなる。不運と思うな。

伊集院静さんの最新刊「大人の流儀6 不運と思うな」

大人は、辛い、苦しい、哀しい目に遭っている若者に胸の底で語りかける。
“決して不運と思うな。今その苦しい時間が必ず君を成長させる。
世間、社会、他人を見る目が広く深くなるのだ”と。
逃げずに正対してぶつかる艱難は必ず後の糧となる。
大人はそう言い切るのである。
時に煙たがられるかもしれない。しかしそのことをきっぱりと断言する。
それが大人の大人としてのふるまいなのである。

無頼派作家は徹頭徹尾、筋金入りだ。


“辛酸を舐め、乗り越えて その果てに
       人は大人として立てるもの“


P.S. 昼食をゆっくりとる暇もないほどハードな取材スケジュールの中
「収録中にハラが鳴ると申し訳ないから」と
関係者の方にサンドイッチを買ってくるよう指示し
こちらへの配慮をさりげなくして下さる「大人」でした。