第24回


ゲスト:林 真理子さん(作家)

山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、
コピーライターとして活躍。
82年のエッセイ集
「ルンルンを買っておうちに帰ろう」が
ベストセラーとなる。
1986年「最終便に間に合えば」
「京都まで」で、第94回直木賞を受賞。
95年「白蓮れんれん」で第8回柴田錬三郎賞、
98年「みんなの秘密」で
第32回吉川英治文学書など、
数々の文学賞を受賞。


エッセイ「中年」突入!ときめき90s」、「美」も「才」もうぬぼれ00s」には、林さんならでは言葉で自己分析をされています。
「子供は産んでおいて良かった。私みたいに自己愛が強い人はこの世に自分と似ているものが存在しないとダメ。
自分が老いていっても自分と生き写しの生命体が伸びていく実感がないとね」。

なるほどと納得する様子の杏子が
「やっぱり、林さんはちゃんとされているんですね」というと、「私をアバンギャルドな人だと思っているけど凡庸な人間ですよ。」
毎朝7時半にお子さんを学校に送っていた林さん。こんなに時間があるならと英会話を習い始めたが、長くは続かなかったそうです。
自分を過信していたと反省されていました。

杏子が思わずジャケット(装丁)買いした「野心のすすめ」。
表紙には直木賞を受賞する30歳ごろの林さんのモノクロ写真は、その強い眼差しに引き寄せられます。
作品に記された「どんなに小さな成功体験でも大切にしていく。」に二重線を引いたそうです。

そして話は、今、本が売れないことを危惧され“本”への熱い思いで交差しました。
林さん:「音楽は形を変えながらでも嫌いな人はいない、どの時代も好きな人がいる。
だけど、本だけは若い時から読むという訓練が必要。訓練がないと大人になってからは読めない。
音楽は自然と聞き、本能的に快感として受け止めるので廃れることはないけど、本は読むという行為自体が廃れていっているようで怖いです」。
杏子:「本を能動的に手に取り、ページをめくるということが、自分が日々重ねて生きていくことに繋がったりしてね」
林:「そうそう、本は進歩しなくちゃいけないんです」・・・と話はまだまだ続く。

M1. 街の底 / eastern youth
M2. Tell Mama / Etta James
M3. Feel Like Makin' Love / Marlena Shaw